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2019 年度 実績報告書

呪術の存在様相:ナイジェリア都市住民の呪術経験に関する文化人類学研究

研究課題

研究課題/領域番号 18H00788
研究機関関西外国語大学

研究代表者

近藤 英俊  関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (40351556)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード長期的事例調査 / オバンジェ / 修正オボニ結社
研究実績の概要

今年度は夏季、比較的充実した現地調査を行うことができた。とくに重点を置いている長期的事例調査では、調査協力者から妖術を巡る重要なエピソードを聞き取ることができただけでなく、調査協力者の数を大幅に増やすことができた。
このうちイボ人の呪医と彼のグループの協力を得た意義は大きく、これによって懸案事項の一つ、水の神マミワタとオバンジェ(繰り返し生まれてはあの世にへ帰る精霊を宿した者)について調査できる目途が立った。興味深いことに、この呪医の占いは私の調査助手がオバンジェであることを示し、調査助手もそれを真に受けていた。今後の展開を追っていきたい。また今回、教員から呪医に転職した人物の協力を取り付け、その経緯やメンバーである修正オボニ結社のことなど貴重な情報が得られた。
一方呪医の儀礼についての調査は、二人のヨルバ人呪医及び上記のイボ人呪医のに占いと供儀の録音とカメラによる撮影を許された。儀礼調査は数度にわたって行う必要があると考えており、今回の調査はその布石となる。
キリスト教の教会の活動の調査は、ペンテコステ派教会二つと独立派教会一つに対する調査を継続するとともに、新たに独立教会一つの調査を開始した。牧師と信者にインタビューし、また礼拝に参加させてもらった。まだ治療儀礼や憑依は記録できていないが、これらの教会とは良好な関係は維持できており、今回の調査はやはり今後に繋がるものである。
残念ながら、コロナパンデミックのために春季の調査は実現できなかった。現地調査が軌道に乗り始めただけに極めて残念である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

4月から12月にかけては順調に研究を行うことができた。とくに夏季の現地調査は実りの多いものだった。ところが1月以降のナイジェリア及び日本のコロナパンデミックとそれに伴う自主隔離等の措置のため、春季の調査が実施できなくなった。本研究は現地調査に多くを依拠している。経費もほとんどが現地調査に充てられている。したがってそれができないのは、本研究の根幹にかかわる問題である。

今後の研究の推進方策

この時点では現地調査の見込みが完全に断たれているわけではなく、当初の計画通り来年度以降も現地調査を実施したい。ただしコロナパンデミックによってそれが困難になってきた場合は、文献研究を拡充し、ナイジェリア以外の地域も視野に入れたより包括的かつ理論的な研究に重点を移すことにならざるをえないと考えている。

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公開日: 2022-12-28  

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