研究課題/領域番号 |
18H00791
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大屋 雄裕 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (00292813)
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研究分担者 |
谷口 功一 首都大学東京, 法学政治学研究科, 教授 (00404947)
米村 幸太郎 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (00585185)
宍戸 常寿 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (20292815)
安藤 馨 神戸大学, 法学研究科, 教授 (20431885)
井上 武史 関西学院大学, 司法研究科, 教授 (40432405)
片桐 直人 大阪大学, 高等司法研究科, 准教授 (40452312)
横濱 竜也 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (90552266)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | メタ憲法学 / ナショナリズム / 宗教 / 統治機構論 |
研究実績の概要 |
2年目にあたる2019年度には、全体研究会を2回開催するのに加え、合宿での研究会を開き研究成果の共有と相互検討を進める計画であった。このうち、全体研究会(第1回)では米村幸太郎(横浜国立大学)がメタ倫理学の観点からの研究経過について報告した。また、8月に開催した合宿研究会では、横濱竜也(静岡大学)「シンガポール:移民と多文化統合」、安藤馨(神戸大学)「宗教者から見たリベラルな民主主義」、宍戸常寿(東京大学)「明治憲法学説史研究と一木喜徳郎」という3報告によりこれまでの研究成果を共有する一方、佐々木貴文氏(北海道大学)より「漁業と外国人」、板東雄介氏(小樽商科大学)より「国籍と国民」という報告をいただき、より具体的な問題に照らして本研究の関心を深めるよう試みた。また、2019年7月にスイス・ルツェルンで開催された法哲学社会哲学国際学会連合(IVR)の世界大会に米村幸太郎が参加し、報告を行なっている。これに並行し、個々の研究テーマごとに関連する憲法学者・法哲学者を基本的なユニットとして個別の共同研究を進めている。 第2回の全体研究会は2020年3月に開催を予定していたが、COVID-19問題の発生により開場として予定していた大阪大学の施設が利用不能となったこと、全体的に出張が困難となったことから会議形式で行なうことを断念し、2020年度に計画を持ち越してオンラインでの開催とした。その後も、個別のユニット・研究者による研究を進展させる一方、COVID-19問題が継続するなかで相互検討を進める手段としてオンラインによる研究会の開催を計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画の全体的なフレームワークを策定し、メンバー全員で一定の問題意識を共有しつつ、可能なものから全体での検討を進めるというプロジェクト推進の基本方針は維持されており、共有された問題意識を反映した各メンバー個別の研究成果も発表されており、成果の社会的還元も進みつつある。その一方、COVID-19問題のなかで対面形式での研究会開催が難しくなったこと、各大学における教育研究機能の維持に各研究者が相当の労力を割かざるを得ない状況があり、プロジェクト全体の成果として論文集を出版するプロセスの進行には一定の停滞が見られる。このため、上記の評価が適当と考える。
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今後の研究の推進方策 |
全体的な研究フレームワークの範囲内で、個別テーマに関する憲法学者・法哲学者の共同研究を進めつつ、全体に成果が共有可能な段階に達したものから順次プロジェクト全体での検討に入るという手法を継続的に展開する。COVID-19問題については解決にはほど遠いものの一定の落ち着きが見られることから、オンラインを活用した研究会の開催と相互検討のプロセスを積極的に進めたい。成果発表の手段として国際学会への参加と報告を予定していたが、現在の状況で大規模な学会の開催・国際的な渡航がいずれも極めて困難になっているため、オンライン開催される国際学会や国内の関係学会への参加により代替することを検討したい。
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