研究課題/領域番号 |
18H00804
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉原 和志 東北大学, 法学研究科, 教授 (10143348)
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研究分担者 |
田中 亘 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (00282533)
松田 貴文 名古屋大学, 法学研究科, 准教授 (00761488)
西内 康人 京都大学, 法学研究科, 准教授 (40437182)
加賀見 一彰 東洋大学, 経済学部, 教授 (50316684)
村松 幹二 駒澤大学, 経済学部, 教授 (50453569)
浅妻 章如 立教大学, 法学部, 教授 (60386505)
家田 崇 南山大学, 法学部, 教授 (90319244)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 企業法学 / 法と経済 / 民事法学 |
研究実績の概要 |
本研究は,企業法制における評価基準を探求すること,すなわち,法律論(解釈論・立法論)において,何が「望ましい」法のルールかをどのような基準によって決めるのか,という問題を検討することを目的としている。本年度は,2~3ヶ月に1回程度の定例研究会および年1回の合宿(於西南学院大学)を開催し,研究分担者,連携研究者らが自己の研究について報告し,議論を行った。また,2020年3月には国際研究集会Research Design Workshopを開催し,方法論についての研鑽も行った。こうした共同研究をベースとして,各共同研究者が,企業法制における評価基準の問題について,具体的な研究成果を公表し,あるいは公表に向けて分析を深めることができた。 具体的には,西内が,近時解釈,立法の両面で関心が高まっている消費者信用法制に関し,行動経済学の利用可能性について問題となる場面ごとの検討を行った。松田は,消費者契約法に関し,規制の帰結について適切に判断しうるのは誰かという観点から,契約規制の問題を判断主体の問題として理解する可能性を考察した。家田は,国際取引における保証状による保証の無因性が争点とされた最高裁判例を題材に,無因性を認める根拠と保証状中の文言との関連性を考察した。田中は,社会厚生と私的利益の乖離から生じるインセンティブの歪みを法制度により是正するという観点から,公益通報者保護法制および銀行の自己資本比率規制について研究した。加賀見は,説明責任および強行法規について,経済理論に基づき新たな観点を提示した他,認知症患者鉄道死亡事故についての最高裁判例を題材に,経済分析の使い方に焦点を当てた分析を行った。浅妻は、租税手続におけるICTの活用に際し担税力の指標としての才能に注目が集まるであろうと考察し、才能を論ずる前提として割引率と理想的所得課税・理想的消費課税との関係について考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年3月以降は,新型コロナウイルスの感染拡大防止のために,対面での研究会を開くことが難しくなったが,それ以前の研究活動の蓄積により,順調に研究成果を公表し続けることができているから。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は,新型コロナウイルス感染拡大防止のために,対面での研究会の開催が困難になることが予想される。 そこで,昨年度までのように,対面での研究会を通じて,研究活動を推進するのではなく,zoomなど,オンライン会議システムを活用して,オンラインでの研究会活動を展開することによって,元来の研究計画通りの研究遂行を目指すことに努める。
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