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2018 年度 実績報告書

放射性廃棄物処分に関する予防・順応型法制度設計の国際比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 18H00809
研究機関名古屋大学

研究代表者

下山 憲治  名古屋大学, 法学研究科, 教授 (00261719)

研究分担者 大島 堅一  龍谷大学, 政策学部, 教授 (00295437)
大坂 恵里  東洋大学, 法学部, 教授 (40364864)
除本 理史  大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (60317906)
神戸 秀彦  関西学院大学, 司法研究科, 教授 (70195189)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード放射性廃棄物 / リスク・コスト評価 / 処分場立地選定 / 順応型管理システム
研究実績の概要

本年度において、各研究班は文献調査など国内外の最新知見の整理と論点整理を研究会等を開催しつつ行い、研究総括チームの担当する海外調査とも結合して、次年度に向けた課題等の明確化を図ることを目的とした。
海外における最先端の知見を踏まえた国際比較を行う準備として、アジア地域では韓国と台湾、ヨーロッパではドイツの研究者・実務家との連携とその深化を目指し、ヒアリングや意見交換等を行った。また、実情を踏まえた適切な制度を構想することを目的に、福島における現状に関するヒアリングを行うと共に、福島において研究の報告と意見交換を行った。
研究統括チームは、前述の通り、ドイツ等におけるヒアリングを実施するとともに、台湾における研究状況および法制度・立法の動向や取り組み状況、実情等に関し、2018年11月25日に台湾から研究者を招聘して、「台湾における脱原発法と放射性廃棄物の処理」と題するワークショップを開催した。
リスク・コスト評価班は、本研究対象分野における国内外の既往研究に関する文献調査等を進め、放射性廃棄物処分に関わる費用負担とそれをめぐる責任のあり方について、基本的な制度コンセプトの確立を目指すための論点・課題を抽出を行った。
意思決定手続班は、国レベルのみではなく、地域レベルを含めた意思決定手続のあり方について本研究対象領域を中心に国際的な研究動向と制度の調査を進め、望ましい手続制度の設計を構想するため、参加・手続の国際比較による論点・課題の整理等を行った。
最後に、機構・組織班は、放射性廃棄物処分に関する国および地方、研究者・研究機関との関わり等を含めて、行政機構・組織のあり方を検討するため、ドイツなど国際比較研究と立法動向等を把握し、また、日本の現行法制度を検討し、次年度に向けた基礎的作業として行政機構等の論点・課題の整理等を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要に記したように、台湾とドイツにおけるヒアリングや研究協力体制は充実してきた。また、研究成果も福島原発事故に関わるものを中心にまとめられており、本研究プロジェクトの初年度としては順調に進展していると思われる。
海外の動向調査・研究について今年度明確な実績はないものの、ドイツ、台湾および韓国に関し、様々な研究者と意見交換を行い、研究交流やワークショップ等の開催などについて、翌年度に向けた取り組みが可能となっている。
なお、韓国との連携は、研究者との情報交換と研究連携に関する意見交換を行うことができ、今後のさらなる深化を目指し、より密なコミュニケーションをとることを予定している。

今後の研究の推進方策

2019年度以降、ドイツおよび韓国について意見交換等をすすめ、とりわけ、ドイツの放射性廃棄物処理状況およびその手続等について2019年度中にワークショップ等を開催し、研究の進展・充実化をする予定である。また、福島における放射性廃棄物処理の問題と事故に対する責任の問題とは相互に関連するため、双方の問題領域を見据えて検討を進める。加えて、台湾および韓国については、研究連携・交流を密にし、情報共有と2020年度に向けた積極的な展開をはかることができるように進める予定である。

  • 研究成果

    (21件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (8件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (6件)

  • [雑誌論文] 原発事故被害者集団訴訟7判決と『ふるさとの喪失』被害2019

    • 著者名/発表者名
      除本理史
    • 雑誌名

      経営研究

      巻: 第69巻第3・4号 ページ: 17-32

  • [雑誌論文] 原発避難者の自死と損害賠償請求-川俣・浪江・飯館の3事件に寄せて-2018

    • 著者名/発表者名
      神戸秀彦
    • 雑誌名

      関西学院大学法政学会「法と政治」

      巻: 第69巻第2号 ページ: 231-248

  • [雑誌論文] 福島原発事故避難者訴訟京都地裁判決の検討-避難の相当性・権利侵害・損害を中心として2018

    • 著者名/発表者名
      神戸秀彦
    • 雑誌名

      関西学院大学災害復興制度研究所「災害復興研究」

      巻: 第10号 ページ: 81-98

  • [雑誌論文] 福島原発事故による『ふるさとの喪失』をどう償うべきか――司法に問われる役割2018

    • 著者名/発表者名
      除本理史
    • 雑誌名

      判例時報

      巻: 第2375・2376合併号 ページ: 241-246

  • [雑誌論文] 原発事故賠償をあらためて検証する――被害者集団訴訟の取り組みに着目して2018

    • 著者名/発表者名
      除本理史
    • 雑誌名

      科学

      巻: 第88巻第8号 ページ: 792-797

  • [雑誌論文] 全国に広がる原発集団訴訟――賠償の問題点と復興への課題2018

    • 著者名/発表者名
      除本理史
    • 雑誌名

      BIOCITY

      巻: 第75号 ページ: 56-62

  • [雑誌論文] 原発事故による福島県内商工業者の被害と賠償の課題――福島県商工会連合会の質問紙調査から2018

    • 著者名/発表者名
      除本理史、高木竜輔
    • 雑誌名

      環境と公害

      巻: 第47巻第4号 ページ: 64-70

  • [雑誌論文] 原発事故賠償訴訟の動向と論点 : 国の責任について2018

    • 著者名/発表者名
      下山憲治
    • 雑誌名

      判例時報

      巻: 第2375・2376合併号 ページ: 234-240

  • [学会発表] Recent Developments in the Fukushima Nuclear Disaster Litigation2018

    • 著者名/発表者名
      Eri Osaka
    • 学会等名
      Annual Meeting on Law and Society
    • 国際学会
  • [学会発表] 原賠法改正問題2018

    • 著者名/発表者名
      大坂恵里
    • 学会等名
      第4回「原発と人権」全国研究・市民交流集会inふくしま
  • [学会発表] 公害研究から福島復興を考える2018

    • 著者名/発表者名
      除本理史
    • 学会等名
      日本災害復興学会 福島復興研究会
  • [学会発表] 福島原発事故の被害回復に向けて――震災8年目の現状と課題2018

    • 著者名/発表者名
      除本理史
    • 学会等名
      日本環境学会 第44回研究発表会
  • [学会発表] 除染・原状回復について2018

    • 著者名/発表者名
      神戸秀彦
    • 学会等名
      第4回「原発と人権」全国研究・市民交流集会inふくしま
  • [学会発表] 国賠訴訟における違法・過失判断と津波訴訟・原発事故訴訟2018

    • 著者名/発表者名
      下山憲治
    • 学会等名
      日本私法学会第82回大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 福島第一原発事故の教訓─再稼働の動きと差止・賠償訴訟2018

    • 著者名/発表者名
      下山憲治
    • 学会等名
      第35回日本環境会議40周年記念神戸大会
  • [図書] 原発事故被害回復の法と政策2018

    • 著者名/発表者名
      淡路 剛久、吉村 良一、下山 憲治、大坂恵里、除本 理史
    • 総ページ数
      344
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      978-4-535-52309-8
  • [図書] 日本の司法―現在と未来(最近の原発差止め訴訟の立証責任論について-伊方判決の変質・回帰と脱却)2018

    • 著者名/発表者名
      齊藤 誠、大出良知、菱田徳太郎、今村与一(神戸秀彦)
    • 総ページ数
      692(557-587)
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      978-4-535-52254-1
  • [図書] 原発事故被害回復の法と政策(東電の責任、原賠法改正問題)2018

    • 著者名/発表者名
      淡路 剛久、吉村 良一、下山 憲治、大坂恵里、除本 理史(大坂恵里)
    • 総ページ数
      344(12-21, 230-242)
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      978-4-535-52309-8
  • [図書] 福島事故後の原発の論点(原発事故賠償の問題点と復興政策の課題)2018

    • 著者名/発表者名
      公益財団法人 政治経済研究所 環境・廃棄物問題研究会(除本理史)
    • 総ページ数
      256(54-66)
    • 出版者
      本の泉社
    • ISBN
      978-4-7807-1674-0
  • [図書] 原発事故被害回復の法と政策(除染・原状回復請求について-生業判決と除染の現状を中心に、原発避難者の自死と損害賠償請求事件)2018

    • 著者名/発表者名
      淡路 剛久、吉村 良一、下山 憲治、大坂恵里、除本 理史(神戸秀彦)
    • 総ページ数
      344(135-154, 183-193)
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      978-4-535-52309-8
  • [図書] 原発事故被害回復の法と政策(国の原発規制と国家賠償責任)2018

    • 著者名/発表者名
      淡路 剛久、吉村 良一、下山 憲治、大坂恵里、除本 理史(下山憲治)
    • 総ページ数
      344(22-42)
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      978-4-535-52309-8

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公開日: 2019-12-27  

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