研究課題/領域番号 |
18H00809
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
下山 憲治 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (00261719)
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研究分担者 |
大島 堅一 龍谷大学, 政策学部, 教授 (00295437)
大坂 恵里 東洋大学, 法学部, 教授 (40364864)
除本 理史 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (60317906)
神戸 秀彦 関西学院大学, 司法研究科, 教授 (70195189)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 放射性廃棄物 / リスク・コスト評価 / 処分場立地選定 / 順応型管理システム |
研究実績の概要 |
2019年度においては、高レベル放射性廃棄物と福島における放射性廃棄物について、それらの処理等に関する経済分析、意思決定のあり方、そして、それらの処理に当たる組織と機構について、研究班を組織し、文献調査や、関係する制度の比較研究などを実施し、また、2019年度における中間的総括に向けて、研究連携や複数回にわたる本研究プロジェクトに関わる日本国内の制度や課題等に関する研究会を開催してきた。 2019年度における研究代表者・研究分担者による研究成果としては、原子力損害の賠償(損害賠償訴訟やADRなど)や「ふるさと喪失」被害、除染土の再生利用に関する諸課題、エネルギー政策や原発のコスト評価、規制のあり方など、福島や日本における原子力政策・放射性廃棄物処理に関する多数の論文・共著書がある。また、5件の英語による研究報告・発表を含む計12件の学会報告等が行われた。これらにみられるように、着実に研究実績をあげている。 本研究は、国際比較研究であるから、国際研究会の場等において、台湾・韓国やドイツ等の研究者・実務家などとの意見交換のほか、本研究プロジェクトの最終年度となる2020年度における国際シンポジウムの開催に向けた研究打合せなどを行ってきた。 2019年度のおわりには、小規模ながらも、ドイツからEU法とドイツ環境法の著名な研究者を招聘することができ、放射性廃棄物処理に関する法制度の現状や高レベル放射性廃棄物等の最終処分場立地選定をめぐる法制度と課題などについて研究報告を受けた。あわせて、日本の法制度や現状と課題に関する報告を行い、充実した質疑・議論と意見交換を行うことができた。この成果は、2020年度中に日本国内において公表する予定である。 なお、新型コロナウイルス感染蔓延とその対策を踏まえ、2020年3月後半に開催が予定されていた研究会等は中止となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の進行は2020年3月後半を中心とした研究会中止を除き、研究会の開催や各種研究報告、論文等の執筆などの成果の公表、中間的総括として位置づけ実施した国際ワークショップの開催とその成果など、概ね順調に進んでいたといえる。ただし、2020年3月後半以降、新型コロナウイルス感染蔓延とその対策などの影響により、2020年度に向けた研究会などが中止となるなど、研究活動に制約が出てきた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究プロジェクトは、国際比較研究を主としたものであり、ヨーロッパやアジア諸国との研究連携・共同研究が不可欠である。しかし、国内外における新型コロナウイルス感染蔓延とその対策の状況を踏まえる必要がある。そのため、適切な時点で、適切な研究実施とともに、場合によっては国際比較研究の推進・展開が困難となり得ることも想定し、研究計画の一部変更などを研究総括班を中心に、Web会議等などを通じて、研究分担者と綿密な打合せ等を早い段階で行っていく。同様の方法により、海外の研究者との連携協力も積極的に取り組んでいく予定である。
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