研究課題
本年度は、以下の各機関において海外調査を行った。台湾中央研究院台湾史研究所、米国国立公文書館(奈良岡、川島)、ウィスコンシン歴史協会(奈良岡:安田貴雅氏〔神戸大学大学院法学研究科博士後期課程〕の助力を得た)、スタンフォード大学フーバー研究所(川島)、国際赤十字文書館、国際連盟文書館、大英図書館、オーストリア国立公文書館・図書館、中国・東南アジア研究所〔ウィーン〕(梶原)、英国国立公文書館(梶原、久保田)、ハーバード大学ベイカー経営学図書館、香港上海銀行文書館〔ロンドン〕(久保田)。以上の調査を踏まえて、各研究代表者・分担者において著書、論文、学会報告などの形で成果を公表した。特筆すべき成果としては、1)第一次世界大戦期の抑留問題に関する新史料を発掘し、その翻刻論文を学術雑誌に連載したこと(奈良岡、梶原)、2)英語、中国語で著書・学術論文を刊行したこと(奈良岡、川島、久保田)、3)海外の国際学会等において積極的に研究成果を発信したこと(奈良岡、川島、梶原、久保田)が挙げられる。以下の講演会・研究会・ワークショップを開催した(会場はいずれも京都大学)。1)Bruno Cabanes氏(Ohio State University教授)の「戦間期における戦争被害者救済」に関する講演会(2019年5月28日)、2)全体研究会(2019年12月22日):報告①奈良岡「ラインシュ文書から見た対華21か条要求問題」、②安田貴雅「辛亥革命を巡るアメリカ外交:ラインシュ文書からみた動態」、③伊丹明彦(京都大学研修員)「日本のシベリア出兵・撤兵とアメリカ外交」、3)ワークショップ「国際連盟研究の最前線」(2019年12月23日):報告①梶原克彦「シベリア出兵期の独墺捕虜問題」、②赤見友子氏(オーストラリア国立大学准教授)「国際連盟と国際規範」、③奈良岡聰智「書評:帯谷俊輔『国際連盟』」
2: おおむね順調に進展している
海外での史料調査を広汎に実施することができた。また、多数の著書、論文を発表するとともに、国際学会での発信、全体研究会やワークショップの開催も実現できた。新型コロナウィルス感染症問題のため、2020年3月に参加を予定していた台湾での国際ワークショップが中止されたのは残念であったが、研究はおおむね順調に進展していると判断する。
アメリカなどでの史料調査がなお必要であるが、新型コロナウィルス感染症問題のため、当面同国での調査実施はきわめて難しいと考えられる。そのため本年度は、これまでに収集してきた史料の整理・分析に集中し、できるだけ多くの著書や論文を刊行することに努める。本年度報告を予定していた海外学会(European Association for Japanese Studies)は、来年度に延期されることが決まり、現段階では国内でのワークショップや研究会の開催も見通せない状況にあるが、オンラインやメールでの連絡・打ち合わせをできるだけ密に行い、積極的に研究成果を発信できるよう努力する。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (16件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 7件、 招待講演 4件) 図書 (5件)
法学論叢
巻: 186巻5・6号 ページ: 72-106
愛媛大学法文学部論集 社会科学編
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大里浩秋・内田青蔵・孫安石編著『東アジアにおける租界研究-その成立と展開』(東方書店)
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国士舘史学
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Jan Schmidt, Katja Schmidtpott(eds.), The East Asian Dimension of the First World War, Global Entanglements and Japan, China, and Korea, 1914-1919, Campus Verlag
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巻: 47号 ページ: 1-35
公研
巻: 57巻5号 ページ: 6-7
巻: 57巻11号 ページ: 6-7
孫安石・大里浩秋編著『中国人留学生と「国家」・「愛国」・「近代」』(東方書店)
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