研究課題/領域番号 |
18H00847
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
岡田 羊祐 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (30224033)
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研究分担者 |
林 秀弥 名古屋大学, アジア共創教育研究機構(法学), 教授 (30364037)
川濱 昇 京都大学, 法学研究科, 教授 (60204749)
松島 法明 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (80334879)
西脇 雅人 大阪大学, 経済学研究科, 准教授 (80599259)
早川 雄一郎 立教大学, 法学部, 准教授 (80737221)
佐藤 英司 福島大学, 経済経営学類, 准教授 (90707233)
高橋 秀典 一橋大学, 大学院経済学研究科, 講師 (80839796)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 競争政策 / 独占禁止法 / 産業組織論 / プラットフォーム / 医薬品産業 / イノベーション |
研究実績の概要 |
2019年度は、デジタル経済における独禁法事件の事例検討をさらに進めた。メンバー間での事例研究の文献情報の交換を進めると同時に、2019年6月19日には、Thomas Ronde氏(Copenhagen Business School)および Victoria Daskalova氏(University of Twente)を招いて「人的資源と競争政策」と題したワークショップを開催した。Ronde氏からはスタートアップ企業の買収・退出に係る市場に関する理論的分析、Daskalova氏からは、欧州における労働法と競争法に関する動向について報告があり、日本からは神林龍教授が参加し有益な意見交換を行うことができた。9月20日には、神戸大学・根岸哲教授の科研(基盤研究A)と共同で研究会を開催し、東海大学・弁護士の鞠山尚子氏をお招きして、医薬品産業における米国とEUのリバースペイメントの規制について報告があった。日本でなぜリバースペイメントの独禁法訴訟が見られないのか、その背景と理由について法的・経済学的観点から理解を深めることができた。11月8日には、明治大学・弁護士の越知保見氏より、クアルコム事件に関する日米欧中韓の比較検討について報告があった。5Gで不可欠のモデムチップの特許ライセンスに係るクアルコム事件の多角的な争訟の全貌について理解を深めることができた。1月10日には、神戸大学根岸科研と引き続き共同研究会を開催し、長岡貞男氏(東京経済大学)から、日本の新薬創成と薬価規制における革新性評価について、渕川和彦氏(山口大学)からプラットフォームとイノベーションをめぐる 新たな競争政策の構築について報告があった。いずれも最新の法的規制および競争法の最新の課題についての報告であり、有益な意見交換を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
デジタル経済における競争当局の規制は、労働法や個別規制法等との関連のなかで、その相互調整ルールの国際的収斂のあり方に注目が集まっているところであり、イノベーションを巡る状況の変化が速い産業における競争法の適格な運用を探るためには、着実に事例収集を進めることが肝要である。欧米や日本で最先端の分野で活躍する多角的な研究者や実務家を招き研究会を定期的に開催することができ、大いに理解を深めることができたので、研究計画はおおむね順調に進捗していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
デジタル経済における競争政策では、イノベーションと技術変化とイノベーション政策、技術者等の労働市場の在り方、個人情報保護のルールなど、関連する政策や法域との関連について理解を深めることが引き続き必要である。本研究計画においてもできる限り関連諸法の研究者との交流を広げつつ、研究を進めていく方針である。特に2020年度には、これまでの研究成果を取りまとめた大規模な研究会の開催、およびその成果をまとめた書籍の出版計画を進める予定である。また、オンラインによる会議を活用することによって、新型コロナウイルス感染拡大による研究会自粛の影響を補うようにする予定である。
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