研究実績の概要 |
本格的にコロナ禍になることから、2021年度には各班が学術誌に投稿した論文を改訂する作業に終始した。他方、A現状認識班(島田・趙・日置)の日置はアジア政経学会春季大会(2021)で「国際価値連鎖、イノベーションシステム、イノベーション成果:中国携帯電話産業の事例から」という題目で事例研究を行い、最近の中国に対する現状認識を深めた。さらに、A現状認識班(島田・趙・日置)の趙は「Simple model of the Hukou system and Chinese export」という題目の論文作成に取り掛かり、現状認識に理論的裏づけを与えた。以上の2本の論文も学術誌に投稿され、改訂作業が行われた。 2021年度に学術誌に投稿された論文は21年度・22年度と改訂され、下記の研究成果として現れる。B公共財理論班(趙・宮越)のZhao(2022, RIE)は、中国の戸籍制度が輸出に与えるモデルを構築し「一帯一路政策」への影響を示唆した。また、B公共財理論班(趙・宮越)の宮越論文(Suzuki&Miyakoshi, et.al(2022, Metroeconomica)は、資金の提供国、公共財の提供国・フリーライダー国、便益の受益国という3者の利害関係を解明できる2公共財モデルを構築したうえで、解の存在・一意性を与える十分条件を導出した。宮越論文(Suzuki&Miyakoshi, et.al(2022, AEL)と併せて実証分析を行う手段を得た。Cネットワーク理論班(島田・宮越・佃)ではMiyakoshi, Shimada(2022, NOAJEF)においてネットワーク理論の構築とセンターの理論を解明した。
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