研究課題/領域番号 |
18H00858
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研究機関 | 独立行政法人経済産業研究所 |
研究代表者 |
森川 正之 独立行政法人経済産業研究所, 副所長, 副所長 (70272284)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 生産性 / 企業行動 / 産業政策 / 不確実性 |
研究実績の概要 |
研究計画の2年目に当たる本年度は、昨年度に実施した独自の企業サーベイを用いた分析、政府統計(「企業活動基本調査」)のミクロデータを用いた分析を進め、毎月勤労統計のデータ修正が生産性の計測に及ぼす影響の定量的な評価、最低賃金の引き上げが企業の収益性・生産性等に与える影響、AIと企業経営の関係、価格競争・品質競争と企業の収益性・生産性の関係などについて、邦文・英文のディスカッション・ペーパーを作成して公表した。 また、個人を対象としたインターネット調査を実施し、消費税引き上げ対策の効果、AIの利用実態、働き方改革の効果等についてデータを収集した。そのデータを利用し、消費税率引き上げ対策と消費者行動、AI利用と働き方・生産性について、邦文のディスカッション・ペーパーを作成して公表した。 このほか、本研究の一環として執筆した事業所レベルのデータを用いた生産性(TFPR, TFPQ)に関する論文を査読付き英文学術誌に公刊するとともに、会社法改正やコーポレートガバナンス・コード導入といった企業統治改革が企業の収益性・生産性に及ぼす因果関係について分析した論文が査読付き英文学術誌にacceptされた。 さらに、本研究計画の初年度に実施した企業サーベイのデータを利用し、書籍(『第4次産業革命と日本経済』、「10 研究発表」参照)の一章(「第4次産業革命の経済効果」)を執筆した。 以上のほか、次年度に実施する予定の調査の調査事項について検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度、独自のサーベイや政府統計のミクロデータを利用した分析を着実に進めることができた。また、10本以上のディスカッション・ペーパーを執筆・公表するとともに、複数の論文を査読付き英文学術誌に公刊することができた。次年度に実施予定の企業サーベイの設計も進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には当初の計画通りに研究を進めていく予定だが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済への深刻な影響に鑑み、次年度には、この問題やこれに対する政策についての見方なども調査事項として加え、現下の政策課題に強く関連する政策評価研究となるように努める考えである。
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備考 |
研究成果は以下のURLに記載。https://www.rieti.go.jp/users/morikawa-masayuki/
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