研究課題
二年目は課題研究を遂行しつつ、研究内容や途中経過について主に国外の研究会で発表を行った。また、研究成果として論文や書籍を出版した。主な成果は以下の通り。(1)医療技術評価の実施と政策意思決定に関して国際共同論文を専門誌等で発表した。さらに後続研究を進めている。(2)医療における費用対効果の閾値の議論を含んだ医療経済学に係る書籍を共同執筆して日本評論社から出版した。特に書籍の三章や五章では、医療における費用対効果評価を中心に扱い、費用対効果の閾値について日本や世界での論点を整理した。(3)ブータン王国における費用対効果の閾値について研究協力の覚書をブータン保健省と調印した。また、年度中2度にわたりブータン保健省を訪問して研究発表、政策会議、データ整備を行った。さらに、セネガル国家医療保障庁との会議を行い、本研究課題のテーマを含めて医療技術評価導入に関して研究協力するための準備を行うことで合意し、国連開発計画や国際協力機構の支援で同庁職員三名をフィリピンでの費用対効果評価のシンポジウム、およびPrince Mahidol Award Conferenceに招致して議論を行った。(4)日本における費用対効果の閾値の推定の作業を進めた。具体的には医療費や死亡率等に関するデータを収集・整理して回帰分析による医療費の限界効果について推定を行った。その他、関連学会・シンポジウムにおいて研究成果や途中経過、展望について発表を行うと共に関連研究者との面談・議論を行い研究実施上の知見を得た。なお、当初の研究計画ではインドネシアにおける費用対効果の閾値の推定を行う予定であったが、当初予見できなかった研究予算上及び研究実施上の困難があり断念した。
2: おおむね順調に進展している
査読付き論文や書籍を含め研究成果が出始めている。研究発表についても学会・シンポジウムを中心に定期的に行っている。ブータン保健省等との研究協力関係を構築し、国際的・長期的な研究発展も見込める。
今後の方針として、新型コロナウィルス感染症の影響で海外渡航に困難が予想される間はブータン保健省の仕事を抑えつつ日本のデータ分析を中心に研究課題を進める。一方で論文執筆等は引き続き行い、研究成果の発信に努める。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 6件、 招待講演 3件) 図書 (1件)
BMJ
巻: 368 ページ: m141~m141
10.1136/bmj.m141
International Journal of Technology Assessment in Health Care
巻: 35(6) ページ: 416 421
10.1017/S0266462319000667