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2019 年度 実績報告書

主観的認識が家計の金融経済行動に与える影響とその経済学的含意

研究課題

研究課題/領域番号 18H00871
研究機関一橋大学

研究代表者

祝迫 得夫  一橋大学, 経済研究所, 教授 (90292523)

研究分担者 小野 有人  中央大学, 商学部, 教授 (40756342)
堀 雅博  一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (50284667)
臼井 恵美子  一橋大学, 経済研究所, 教授 (50467263)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードハウスホールド・ファイナンス / ライフサイクル仮説 / 行動ファイナンス / 家計貯蓄 / ポートフォリオ選択
研究実績の概要

小野と祝迫は、持ち家選択が家計のリスク性金融資産の保有に与える影響に関する日本のデータを用いた共同研究を完成させ学術専門誌へ投稿した。また同じデータセットを利用し、NISA・つみたてNISA、iDecoなどの個人の資産運用に対する税制優遇措置が家計の貯蓄・ポートフォリオ選択に与える影響についての分析を行うための準備作業を開始した。祝迫は日本ファイナンス学会の会長講演として、自らのハウスホールド・ファイナンスおよび家計貯蓄に関する自身の最近の研究をまとめた内容を発表するとともに、「現代ファイナンス」に掲載するために論文としてまとめた。臼井はLongitudinal Panel Surveysのデータを用いて、高齢者の労働参加に関する日本・中国・シンガポールの国際比較研究を行い内外の学会で発表した。堀はミクロデータを遺産相続が家計の就労に与える影響、遺産動機が貯蓄行動に与える影響についての共同研究を推進した。
昨年度(2019年3月)に開催した国際研究集会を契機に、引き続き中国(王新梅、中国社会科学院)・韓国(Stanley Cho、ニューサウスウェールズ大学)の研究者と共同で家計の金融経済行動に関する3カ国のミクロデータの国際比較と、年金・社会保障制度や住宅ローン制度に関する制度比較の国際共同研究を推進した。2019年12月には、新たな研究メンバーを迎え、各国の年金社会保障制度と高齢家計の貯蓄・ポートフォリオ選択、高齢者家計の間での不平等の問題に重点をおいた国際研究集会を開催した。国際研究集会の詳しい模様や発表資料は、「14.備考」に記載したAsian Houshold Financeと題されたWebページに掲載されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね順調に進展しているが、2019年度末(2020年3月)に開催を予定していたハウスホールド・ファイナンスに関する国内コンファレンスについては、コロナウィルス感染症の影響により開催を見送らざるをえなかった。プロジェクト全体としては、サーベイ調査による日本の家計についての研究に重点を置いていた当初の研究計画に比べ、事後的に、家計の金融経済行動の国際比較に関する中国・韓国の研究者との共同研究の比重が高くなっている。

今後の研究の推進方策

コロナウィルス感染症の影響が長引いた場合は、研究集会を開催して中国・韓国の研究者と国際共同研究を推進することは難しくなるので、多人数でオンラインでのミーティングを行う必要が発生し、そのための環境整備を行う可能性がある。また家計に対するアンケート調査に関しては、コロナウィルス感染症問題に関する家計の認識の差異と、それが金融経済行動に与える影響を分析するような形で、サーベイの質問項目を変更することを検討している。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 高齢化社会と家計の金融経済行動:マクロ経済学的背景とミクロ経済学的インプリケーション2020

    • 著者名/発表者名
      祝迫得夫
    • 雑誌名

      現代ファイナンス

      巻: ー ページ: ー

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 家計の資産形成行動に居住用不動産が及ぼす影響2020

    • 著者名/発表者名
      祝迫得夫,小野有人
    • 雑誌名

      証券アナリストジャーナル

      巻: 第58巻第1号 ページ: 17-29

  • [雑誌論文] 遺産受取が個人の労働供給に与える影響2020

    • 著者名/発表者名
      新関剛史、堀雅博
    • 雑誌名

      濱秋純哉編『少子高齢社会における世代間移転と家族』第1章、日本評論社(書籍所収論文)

      巻: ー ページ: ー

  • [雑誌論文] 高齢者の遺産動機と貯蓄行動:日本の個票データを用いた実証分析2019

    • 著者名/発表者名
      堀雅博、濱秋純哉
    • 雑誌名

      内閣府経済社会総合研究所『経済分析』

      巻: 第200号 ページ: 11-36

  • [雑誌論文] The Effect of Physical Collateral and Personal Guarantees on Business Start-ups2019

    • 著者名/発表者名
      Yuji Honjo, Arito Ono, Daisuke Tsuruta
    • 雑誌名

      RIETI Discussion Paper Series

      巻: 19-E-087 ページ: 1-40

  • [雑誌論文] 保証実績データを読み解く:貸し手のインセンティブ問題の検証2019

    • 著者名/発表者名
      小野有人
    • 雑誌名

      月刊金融ジャーナル

      巻: 5月号 ページ: 74-79

  • [学会発表] 高齢化社会と家計の金融経済行動(household finance):マクロ経済学的背景とミクロ経済 学的インプリケーション2019

    • 著者名/発表者名
      祝迫得夫
    • 学会等名
      日本ファイナンス学会第27 回大会,会長講演
    • 招待講演
  • [学会発表] The Elderly’s Employment Situation in China, Japan, and Singapore: Evidence from the Longitudinal Panel Surveys2019

    • 著者名/発表者名
      Emiko Usui
    • 学会等名
      Singapore-Japan Academic Forum on Ageing
  • [学会発表] When banks become pure creditors: Effects of declining shareholding by Japanese banks on bank lending and firms' risk-taking2019

    • 著者名/発表者名
      Arito Ono
    • 学会等名
      CUHK-RCFS Conference on Corporate Finance and Financial Intermediation, Chinese University of Hong Kong
  • [備考] Asian Household Finance: A Research Project

    • URL

      https://sites.google.com/view/asianhouseholdfinancearesearch/

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公開日: 2021-01-27  

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