研究課題/領域番号 |
18H00873
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
須齋 正幸 長崎大学, 経済学部, 教授 (40206454)
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研究分担者 |
津村 徳道 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00272344)
土居 裕和 国士舘大学, 理工学部, 准教授 (40437827)
川崎 能典 統計数理研究所, モデリング研究系, 教授 (70249910)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 投資実験モデル / リスク回避度 / セロトニントランスポーター遺伝子 |
研究実績の概要 |
リスク回避度を測定するための実験系を構築した。またリスク回避度および他の実験参加者への追随行動を統計的に計測するための理論モデルを構築し、PCを用いて実験参加者のリスク回避度を測定するモデルを構築した。実験は、初期に一定の資産を与え、複数回の投資を行ったのち、最終的なペイオフによって参加者への謝金を支払うものである。 実験には3名が同時に被験者として参加してもらい、参加者相互の回答を逐次相互に確認できる構造としている。これは、被験者のリスク回避度と他の投資家の影響、すなわち追随行動(ハーディング)を研究の目標としているので、他の被験者の投資行動がどのように被験者の投資行動に影響を与えるかを検証するための工夫である。1つのセッションが15分程度として設計しており、そのセッションを複数回実施することとしている。実験内容は投資の条件を提示してそれにいくら投資するかを決定する課題であり、投資の成果、すなわち最終的なペイオフが謝金に反映される。この謝金の算定方法によって参加者のモチベーションを喚起するように工夫した。 また、実験結果を統計的に評価する理論モデルも構築した。リスク回避度を実験結果から測定できる理論モデルを構築し、参加者間の他の参加者への追随傾向を統計的に推計できるモデルを構築した。 ここまでの研究成果は国際共著論文としてまとめ、複数回、国際会議において報告している。そのうちの一つはすでに権威ある国際ジャーナルで採択されており、現在印刷中となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
追随行動(ハーディング)を検証するための実験モデル並びに、その結果から追随行動とリスク回避度の関係を測定する理論モデルを完成することができた。残念ながら、日本国内において年度末に学生を集めた実験を実施できなかったが、2020年度の早い時期に実験を国内において開始する予定である。 また国際比較実験のための打合せ(イギリス、ポーツマス大学において実施予定)も実施しており、2020年度の実験実施に向けた準備が概ね終了したため、このような評価としている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は新型コロナウィルス感染症の影響があるため、環境が許すのであればまず日本国内で実験を開始する。その結果を受けて、イギリスで実験を実施する予定である。また、国際比較実験として、中国でも実験を計画しているので、こちらの進行についても環境を確認しながら進める予定としている。
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