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2022 年度 研究成果報告書

近現代における「不自由な」労働者を再考する―18-20世紀の英国・英帝国を中心に

研究課題

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研究課題/領域番号 18H00879
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分07070:経済史関連
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

奥田 伸子  名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 名誉教授 (00192675)

研究分担者 中沢 葉子 (並河葉子)  神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10295743)
山本 千映  大阪大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10388415)
江里口 拓  西南学院大学, 経済学部, 教授 (60284478)
竹内 敬子  成蹊大学, 文学部, 特任教授 (80206945)
吉村 真美 (森本真美)  神戸女子大学, 文学部, 教授 (80263177)
三時 眞貴子  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (90335711)
大澤 広晃  法政大学, 文学部, 准教授 (90598781)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード不自由労働 / 自由労働イデオロギー / 自由主義 / 奴隷 / 児童労働 / 男性稼ぎ主モデル / ジェンダー / イギリス帝国
研究成果の概要

イギリス経済史において、労働者とは暗黙裡に男性・成人・白人・法律上、身分上自由な)・賃金労働者と想定されているが、実際にはこの属性と異なった労働者がさまざまな制約のもとで働いていた。異なった属性を持つ労働者が受ける制約に着目して、彼(彼女)らを「不自由な」労働者と定義し、5つの時空間における労働者の働き方・状況(奴隷、働いていない男性、児童、南アの黒人労働者、難民)の実証分析と3点の言説(懲役刑の意味、工場法とジェンダー、ニュー・リベラリズム)をそれぞれ分析した。その結果、自由労働イデオロギーを押し付けられ「不自由な」労働者がディーセントな労働と生活の実現を妨げられる状況があきらかになった。

自由記述の分野

イギリス経済史

研究成果の学術的意義や社会的意義

イギリスとイギリス帝国を題材としているが労働史における共通する課題を扱っている。「不自由な」労働者が属性ゆえに働く上で大きく制約を受け、低賃金労働に固定化される実態と政府、社会による創出過程や言説、思想を分析することによって、奴隷制度廃止以降の歴史において社会、経済の要請によってさまざまな「不自由な」労働者が創出された状況を示した。従来、イギリス人男性労働者の経験を普遍的としてきた経済史・労働史の多面的検討の必要性を示したことが学術的意義である。現代においても児童労働など不自由労働者に関する問題が深刻であり、こうした問題の社会経済的背景への視座を得ることを可能にすることが社会的意義である。

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公開日: 2024-01-30  

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