研究課題/領域番号 |
18H00883
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
岸本 壽生 富山大学, 経済学部, 教授 (80262492)
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研究分担者 |
馬 駿 富山大学, 経済学部, 教授 (00303206)
櫻田 貴道 富山大学, 経済学部, 准教授 (00634867)
NURHAIZAL AZAM 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (10816721)
李 瑞雪 法政大学, 経営学部, 教授 (20377237)
山本 崇雄 神奈川大学, 経済学部, 教授 (30318761)
大東和 武司 関東学院大学, 経営学部, 教授 (40152194)
鳥羽 達郎 富山大学, 経済学部, 教授 (40411467)
清水 さゆり 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (70445873)
今井 雅和 専修大学, 経営学部, 教授 (80305391)
竹之内 秀行 上智大学, 経済学部, 教授 (90297177)
内田 康郎 兵庫県立大学, 経営研究科, 教授 (90303205)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 地方企業 / 海外進出 / グローバル展開の持続性 / 国際ビジネス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、①地方企業が積極的に国際ビジネスを展開するようになったパラダイムシフトを解明すること、②地方企業が国際ビジネスをするにつれ、組織能力を向上させ、人材開発を行い、国内外の事業全体を持続・発展させていくプロセスを調査すること、③地方のサービス産業による海外顧客に対応するマーケティングやマネジメントシステムを研究すること、そして④地方企業の持続性に着目し、ダイナミックな理論化を追究することである。 当該年度は、まず、地方企業の海外進出の実態把握に努めた。国内外の日系企業約15社と約10機関の訪問調査を行った。例えば、地方の食品メーカーがマレーシアやタイに進出し、これまでの現地ならびに本国市場に供給していたことに加え、現地においてイスラム教のハラール認証を得ることで、今後の市場をグローバルに志向したケースがあった。また、日系のセットメーカーに供給する目的で進出した部品メーカーが現地で新たな顧客を模索し、さらに新たにインドに拠点を設置したケースなどがあった。初年度は、現地調査を積み重ね帰納的に追究した。 これらの調査を直接的、間接的に踏まえて、11件の学会報告と7編の論文等を発表した。例えば、岸本寿生と竹之内秀行が行った国際ビジネス研究学会九州部会(九州産業大学)の報告「サービスの海外移転:加賀屋の台湾進出のケース」では、北陸地方の和風旅館による海外移転をするプロセスの分析を行った。そこでは、基本的に本国のコンセプトを忠実に移転しつつも、現地に適応しなければならないプロセスとその要因として①サービスの移転に関するハードとソフトの組み合わせの重要性、②「型」よる移転、②持続的移転を可能にする人事システムの構築等を指摘した。そして、経営資源が十分であるとはいえない地方の中小企業の海外進出プロセスを検討した。 ただし、初年度は理論的考察まで行えていないのが課題である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、国際ビジネス理論、ソーシャル・キャピタル論、中小企業論、マーケティング論、サプライチェーンマネジメント論、人材開発論、経営戦略論および異文化マネジメント論等の専門分野の研究者が地方企業の海外進出を対象に研究、調査を進めている。 初年度は、企業調査と理論研究を行い、基本コンセプト、理論構築のコンセンサスを追究したが、十分な結果が得られる状況には至らなかった。 全体討議を2回行ったが、限られた時間内で結論を導くのが困難であったことが理由として考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
企業調査の回数を増やし、これまでの結果と合わせて、データの整理、蓄積を行う。そのために、以下の4つのアングルから行う。①当該地域の地方・中小企業への調査により、現在の問題と国際事業への取り組みの程度を把握する。次に、②すでに外国に進出している地方企業の現地調査である。現地法人の現状を把握することで、地方企業のグローバル化インセンティブの程度を調査する。また、同時に地方企業特有のサプライチェーンを解明する。また、③当該地域および外国進出地域への行政機関等への調査を行う。昨今、国内拠点を存続させるならば大手企業とサプライチェーン形成のための海外進出に地方自治体が支援するケースが出てきている。また、海外での工業団地でも大企業誘致から技術水準の高い中小企業の誘致にその範囲を広げてきている。④インバウンドのサービスに対する企業への調査を行う。本研究では、調査範囲を企業だけではなく周辺領域に広げて行う。 また、地方企業の海外進出に関する理論的な考察を行うため、各専門領域の基本文献のレビューを行い、メンバー間での共有を図り、体系化、可視化を進める。 さらに、可能な限りアンケート調査を検討する。
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