研究課題/領域番号 |
18H00888
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
永島 正康 立命館大学, 経営学部, 教授 (20745202)
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研究分担者 |
新宅 純二郎 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (00216219)
中野 幹久 京都産業大学, 経営学部, 教授 (70351690)
富野 貴弘 明治大学, 商学部, 専任教授 (90366899)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | グローバル・サプライチェーン / 開発 / 製造 / 販売 / 新製品開発 |
研究実績の概要 |
これまでの日本のグローバル製造企業に対して行った、開発・生産・販売といった機能が多国に分散している中、効果的に新製品開発を行うためにはどうすべきか、という現場実態調査の結果、以下の2点が明らかになった。 1点目は、サプライチェーン協働は、開発-生産、生産-販売といった形で、製品開発が進む段階に応じて、リレー式に協働が考えられてきたが、新製品開発のできるだけ上流活動の段階で、開発・生産・販売間のコミュニケーションをとる(フロントローディング)部門が必要だということである。2点目は、海外市場に関する暗黙知を、海外子会社を支援する本国の関係者に形式知にして伝える部門が必要だということである。上記2つの機能を推進できる第三者的な部門並びにリーダーの存在が、開発・生産・販売の3者連携を促進する大きな要因になり得ることが明らかになった。 こうした分析結果を、論文として、アジアにおけるビジネス・マネジメント系トップジャーナルであるAsian Business & Management(Q2)並びにJournal of Asia Business Studies(Q2)へ投稿した。研究発表としては、海外ではEurOMA (European Operations Management Association/ full paperの提出のみ)、国内ではJOMSA(Japanese Operations Management and Strategy Association)にて、オンラインを通じて実施した。さらに、これまでのグローバル・サプライチェーン研究の集大成(従来の2者間問題の課題解決の道筋と限界を理論的、実証的に示した成果物)として単著『グローバル・サプライチェーンにおける 新しい製販協働のかたち -見えない需要を見える需要に-』を出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに予定していたグローバル製造企業の国内外の開発・製造・販売部門への包括的な現場実態調査をほぼ終えることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
複雑化したサプライチェーンを開発・製造・販売の3者間問題として捉えた時に、従来の2者間問題で見落としていた課題の構造とその課題に対する効果的なマネジメントあり方について、新たな提案を行なうべく、最終成果の取りまとめ作業を行う。 国内での学会発表とともに、海外での学会発表も行い、国際的な判断を仰ぐ。海外での発表学会は、EurOMAを予定している。さらに、海外のサプライチェーンのトップジャーナルであるInternational Journal of Operations & Production Management(Q1)などへの投稿を目指す。最終的には、本研究(3者間問題)の成果を書籍の形にまとめ、研究成果の社会的還元を図る。
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