本研究では多様化する人材をキーワードに、複数の人材カテゴリーに着目し、複数の調査を行った。まず、多国籍企業の海外現地法人に勤務する現地国人材の調査からは、彼らの企業への帰属意識とキャリア開発支援が、外国人派遣員に対する援助行動にプラスの影響があることが分かった。次に、海外派遣経験者の調査からは、帰任時の困難と帰任後の離職意図のマイナスの関係を、赴任中のメンタリングが緩和することがわかった。さらに、管理職の研究からは、性別による偏見と昇進意欲およびキャリアアップを目指す行動の間にはプラスの関係があり、女性管理職よりも男性管理職の方がこの関係がより強くなることがわかった。
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