研究課題/領域番号 |
18H00892
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
坂爪 洋美 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (10329021)
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研究分担者 |
武石 惠美子 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70361631)
松浦 民恵 法政大学, キャリアデザイン学部, 准教授 (60570778)
林 有珍 山梨学院大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (40633889)
島貫 智行 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (40454251)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ダイバーシティ・マネジメント / 管理職 / 関係志向性属性 |
研究実績の概要 |
2018年度の研究実績は次の通りである。第1に、ダイバーシティならびにダイバーシティ・マネジメントに関する実証研究を対象とした文献レビューを行った。文献レビューを通じて、管理職という観点から現時点でのダイバーシティ・マネジメントの概要とその効果・課題を明らかにすることができた。その一部は、現在出版に向けてまとめている。 第2に、管理職を対象として実施した調査データを入手し、部下の性別の違いによる管理職の行動の違い、ならびに管理職の行動と人事制度・取組みとの関連を検証した。その成果の一部は論文として刊行済みである。今後、部下の性別による管理職の行動の違いを低減するダイバーシティ・マネジメントのあり方についてさらなる分析を行う予定である。 第3に、管理職を対象とした調査データを用いて、管理職の性役割意識ならびに企業のダイバーシティ・マネジメントが管理職の女性部下への行動に与える影響について検討を行い、学会発表を行った。同様に、女性社員を対象として、管理職の行動が女性部下のキャリア志向性ならびに仕事に対する意欲に与える影響について検討を行い、学会発表を行った。2つの分析を通じて、女性部下のキャリア志向性ならびに仕事に対するモチベーションに影響を与える管理職の行動と、管理職の行動を引き出すHRMについて考察した。 第4に、日本企業を対象として人事制度ならびにダイバーシティ・マネジメントに関する調査を実施した。2019年度以降に実施する調査とデータを結合した上で、分析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在の進捗は概ね順調に推移していると言える。その理由は以下3点である。第1に、組織行動分野でのダイバーシティ・マネジメントに関するレビューはかなり進んでおり、成果としての公表にむけた準備段階に入っている。第2に、企業レベルでのダイバーシティ・マネジメントの状況に関する調査を既に実施し、既に調査票を回収済みである。第3に、管理職を対象とした調査についてもその調査票設計が概ね完成している。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は以下4点において研究を進める。第1に、引き続き、海外文献のレビューを行う。組織行動分野でのダイバーシティ・マネジメントに関するレビューはかなり進んでいるが、HRM分野ならびに経済学分野での研究レビューはまだ十分ではないことから、これらの領域のレビューを重点的に行う。 第2に、欧州の企業の人事部門ならびに管理職を対象としたインタビュー調査を実施する。人事部門に対しては、関係志向属性におけるダイバーシティ・マネジメントの具体的内容と、管理職へのアプローチについてヒアリングを行い、管理職に対しては、関係志向属性において多様な部下をマネジメントする際の行動ならびに課題についてヒアリングを行う。 第3に、日本企業に勤める管理職を対象としたWEBによるアンケート調査を実施する。具体的には企業レベルでのダイバーシティ・マネジメントならびに管理職の行動との関連を検証する予定である。
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