研究課題/領域番号 |
18H00922
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石田 賢示 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (60734647)
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研究分担者 |
香川 めい 大東文化大学, 社会学部, 准教授 (00514176)
有田 伸 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (30345061)
元治 恵子 明星大学, 人文学部, 教授 (60328987)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 現地採用 / 国際移動 / キャリア形成 / パネル調査 / 人材紹介企業 / 制度 / 日本人性 |
研究成果の概要 |
本研究課題では、5年間で海外で就業する日本人を対象とするパネル調査、および現地採用日本人と人材紹介企業に対するインタビュー調査を実施してきた。一連の調査研究からは、とりわけ「現地採用日本人」とカテゴライズされる人々にとって、日本国外での就業がキャリアに対して及ぼす影響は状況依存的であることが明らかとなった。彼らは、現地社会ではある程度経済的地位達成を経験し、生活への主観的評価も高い。一方、これらの経験は日系企業のサプライチェーンの影響力が大きな社会に限定される可能性がある。また、日本帰国後のキャリアは、とりわけ日系企業の現地採用日本人にとっては不安定なものになる可能性が高い。
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自由記述の分野 |
社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の成果は、海外で働く日本人のキャリア形成の状況について、日本帰国後の状況まで射程に含めている点がオリジナルであるといえる。特に、定性的な社会学、あるいは文化人類学で指摘されていた文化的な動機づけに加えて、現代の現地採用日本人がある程度明確なキャリア志向を持っており、少なくとも現地の労働市場では一定程度の評価を得ているという知見は、本研究課題ならではのものである。一方、それがよりマクロレベルでの状況に依存する点は、本研究課題が社会階層論や制度論を理論的支柱とする研究者によって遂行されたからこそ明らかにできたといえる。以上の知見は、日本の雇用システムを問い直す点でも示唆に富む。
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