研究課題/領域番号 |
18H00927
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川端 亮 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00214677)
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研究分担者 |
立田 由紀恵 多摩大学, グローバルスタディーズ学部, その他 (10619745)
松野 智章 大正大学, 文学部, 非常勤講師 (20723662)
渡邉 光一 関東学院大学, 経営学部, 教授 (30329205)
秋庭 裕 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (40222533)
弓山 達也 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (40311998)
櫻井 義秀 北海道大学, 文学研究科, 教授 (50196135)
宮嶋 俊一 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (80645896)
真鍋 一史 青山学院大学, 地球社会共生学部, 教授 (90098385)
長谷川・間瀬 恵美 桜美林大学, 人文学系, 准教授 (90614115)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 宗教性 / 国際比較研究 / 測定 / 社会意識 |
研究実績の概要 |
私たちの基盤となる研究チームは、すでに2015年、16年、17年の3回にわたって8カ国の宗教意識に関して、調査を実施した。このデータは、インターネット調査であるが、それぞれ100項目以上の宗教に関する質問を異なる宗教文化の国を対象に調査したデータであり、このような多様な国を対象としたこれほどの規模のデータは、日本には存在せず、世界でもおそらく存在しない。これらのデータを本研究グループは、独自の新たな方法で分析することによって、文化の異なる各国は、確かに異なる宗教文化を持つが、8カ国共通の宗教的信念に関する尺度が存在するといえること、それは、一次元で他の調査でも用いることができる尺度になりうることを明らかにしつつある。 これらの点を踏まえて、さらに共通する宗教性が各国で神秘体験や多元主義に対する考え方にどのように影響しているかを明らかにすること、共通する宗教性が満足度、幸福感、ボランティア活動、文化活動などにどのように影響しているのかを明らかにした論文や学会発表を目指して、4回の研究会を開催し、検討を重ねた。 この研究会では、理論的な研究を主として行ってきた分担者が、各自の学問的立場から検討し、理解したところを発表することにより、質問紙調査データの統計的な分析に新たな視点からの解釈を生み出すことを目指しており、理論と実証の融合を図った研究会を進めていった。 また、宗教性は共通性だけでないことも明らかである。したがって、2019年度に予定している次の質問紙調査は、国により異なる宗教性の抽出も目的とし、そのための先行研究を調べ、質問文の検討を行った。さらに宗教的行動、宗教性と関連する社会意識、社会的行動についても質問文を作成し、質問票を作成する準備を続けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の分担者は北海道、東京、大阪に分かれているため、研究を進めるうえで、研究会の開催は、必須であり、2018年度は京都と東京で、計4回の研究会を開催した。ほとんどの分担者が毎回出席し、熱心に議論することで研究はおおむね計画通りに進展した。 ただしさらに多くの研究会を開催すれば、さらに研究は進展し、当初の計画以上の成果をあげられたであろうと予想できるが、昨今の大学教員の多忙さのためか、多くの分担者が集まれる日をこれ以上設定できなかったため、計画以上の進展を見ることは、できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度も研究会を開催し、質問紙調査票を作成して、国際比較調査を実施する。昨年度4回の研究会を実施した。研究分担者の予定が合わず、4回しか実施できなかったことを反省し、2019年度は4月から研究会を実施する予定であり、早い目に先の研究会の予定も定めて、多くの研究会を実施することが研究全体を大きく推進する一番の方策である。 一方で限られた予算の中で、大きな支出割合となる国際比較調査を実施するために、研究会のための旅費をそれほど増やすことができない。研究会の事前の準備を入念に行うなどして、効率的に研究会を実施し、よりよい調査票の作成を進めることができるようにすることも研究を推進する方策として、有効である。
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