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2019 年度 実績報告書

在伯の日中韓移民メディアを文化外交論から再考する: ジャパン・ハウスの考察を軸に

研究課題

研究課題/領域番号 18H00934
研究機関武蔵大学

研究代表者

イシ アンジェロ  武蔵大学, 社会学部, 教授 (20386353)

研究分担者 白水 繁彦  駒澤大学, グローバル・メディア・スタディーズ・ラボラトリ, 研究員 (80095942)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード移民メディア / ジャパンハウス / ブラジル / 日系人 / 文化外交 / ディアスポラ / 民間外交 / 架橋エージェント
研究実績の概要

まず、本研究の柱の一つであるブラジル居住の日系、中国系、および韓国系の移民が生産・利用するメディアの比較については、イシはブラジルでフィールドワークを実施し、廃刊に追い込まれた日系メディアの関係者や、その比較対象として、中国系新聞の関係者への聞き取り調査を実施。次に、日本政府が立ち上げた各国でのジャパン・ハウス事業の事例研究については、ブラジルおよび米国において関係者への聞き取り調査を行なった。サンパウロでは韓国系の文化施設の関係者への聞き取りも行なった。主な研究活動は以下のとおり。
イシは8月にサンパウロ市でジャパンハウスの原爆(広島・長崎県人会共催)特別展や、開館して間もないCentro Cultural Coreano(韓国政府によるワンストップ型文化外交施設)を見学、そのキュレーターをインタビュー。Sao Paulo Shimbunの元記者、『巴西華人資訊網』誌(中国系のビジネス誌)のマーケティング担当、アジア系芸能集団Coletivo Oriente-seの創立者3人をインタビュー。英国では昨年インタビュー調査を実施したJapan House Londonの進展を調べた。2020年3月には米国ロサンゼルスで、ジャパンハウスの館長等をインタビューした。白水はハワイ沖縄系コミュニティの人的ネットワーク資源の活用実態把握や、国内では在日エスニック・コミュニティにおけるエスニック架橋エージェントの活動実態把握を行なった。第36回オキナワン・フェスティバル(8月~9月)期間中およびその前後に参与調査を実施し、主にボランティア参加者のネットワーク資源の多様化について調べた。
なお、2月に科研費公開シンポジウムを武蔵大学で開催(白水が司会進行、イシがコメンテーター。中国、ネパール、米国、ブラジルの4ヵ国の移民メディア関係者やコミュニティリーダーが登壇)。詳しくは「備考欄」参照。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の柱の一つであるJapan Houseの国際比較については、米国でJapan House Los Angelesの館長など関係者へのインタビューが実施できたことにより、世界の3つのJapan House全ての資料収集と関係者インタビューが完結した。もう一つの柱である移民メディアの比較分析については、廃刊になったサンパウロの日系新聞の記者にインタビューが実施できた。このようにデータ収集が計画以上に順調に進展した一方で、データの分析の進捗がやや遅れている。よって、総合しておおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

海外調査については、日本のみならず調査予定地各国でのコロナ危機の終息のタイミングを見計らいながら、主として移民メディアに関する補足調査を実施する。国内調査については、在日ブラジル人のデカセギ30周年関連の記念行事とそのメディア報道等に着目する。同時に、前年度の調査での収穫を含めたデータを基に比較考察を試みる。

備考

2020年2月9日、武蔵大学で科研費公開シンポジウム「“グローバル人材”としての移民と共生社会の可能性を考える~ 4人の民間外交実践者の経験」を開催。スピーカーは段躍中(日本人と中国人の交流実践者)、エンピ・カンデル(外国人材採用コンサルタント)、エリオット・コンティ (デジタルメディアによる情報発信者)、菊池シルビア (ポルトガル語誌編集長)。コーディネーター・司会は白水、コメンテーターはイシ。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 6件)

  • [雑誌論文] 移民受け入れとジェンダー ~ 在日ブラジル人の事例を中心に2020

    • 著者名/発表者名
      アンジェロ イシ
    • 雑誌名

      ジェンダー研究

      巻: 22 ページ: 31-46

  • [雑誌論文] 移民をチーム日本に迎えるには~ 「在日ブラジル人1世」の提言2019

    • 著者名/発表者名
      アンジェロ イシ
    • 雑誌名

      月刊Journalism(朝日新聞社)

      巻: 5月号 ページ: 4-11

  • [雑誌論文] 多文化共生時代に問われる日本の覚悟2019

    • 著者名/発表者名
      アンジェロ イシ
    • 雑誌名

      月刊公明

      巻: 12月号 ページ: 60-65

  • [雑誌論文] ”外国人”との共生社会を実現しよう! ~ 外国人は「人材の宝庫」発想転換し積極活用を2019

    • 著者名/発表者名
      アンジェロ イシ
    • 雑誌名

      中日懇話会報(中日新聞社)

      巻: 536 ページ: 3-45

  • [学会発表] どうなる、どうする移民政策(在日ブラジル人の立場から)2019

    • 著者名/発表者名
      アンジェロ イシ
    • 学会等名
      移住連全国フォーラム(6月2日)
    • 招待講演
  • [学会発表] 移民研究(者)と入管法改正 - 日系(在日)ブラジル人の立場から2019

    • 著者名/発表者名
      アンジェロ イシ
    • 学会等名
      日本移民学会第29回年次大会(6月30日)
  • [学会発表] ハワイ沖縄系コミュニティにおける文化変容と架橋エージェント2019

    • 著者名/発表者名
      Shigehiko Shiramizu
    • 学会等名
      Okinawan Festival (Hawaii Convention Center, Honolulu, Hawaii)8月31日および9月1日
    • 招待講演
  • [学会発表] 基調講演「在日日系30年の歩みと日本の“多文化共生社会”」2019

    • 著者名/発表者名
      アンジェロ イシ
    • 学会等名
      第60回海外日系人大会(憲政会館、10月1日)
    • 招待講演
  • [学会発表] 在日ブラジル人デカセギ30年史2019

    • 著者名/発表者名
      アンジェロ イシ
    • 学会等名
      シンポジウム「デカセギ」の30年、過去から未来へ 日本におけるブラジル人コミュニティの過去と未来(静岡文化芸術大学、10月26日)
    • 招待講演
  • [学会発表] Migration/integration policies in Japan from the point of view of "Nikkeijin": A focus on the Voluntary Return Program and the Visa for 4th generation descendants2019

    • 著者名/発表者名
      Angelo Ishi
    • 学会等名
      国際シンポジウム「後発的移民受入国の国際比較――21世紀の移民受入れ政策を  めぐるスペインの経験と日本のこれから」(11月16日, 一橋大学
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] The rise and fall of the literary and audiovisual production by Brazilian Nikkeijin migrants in Japan: A focus on the role of ethnic media2019

    • 著者名/発表者名
      Angelo Ishi
    • 学会等名
      International Symposium "New and Old Diversity Exchange (NODE) UK-Japan" (Waseda University, December 4)
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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