研究実績の概要 |
認知症の鑑別診断に関する診療体制と連携担当者による受診・受療援助の実態を定量的に明らかにすることを目的に,アンケート調査を実施した。調査対象者は,西日本における認知症専門医のいる880か所の医療機関に勤務する連携担当者(精神保健福祉士,社会福祉士,介護支援専門員,看護師等)880名であった。 調査の結果,2か所が宛先不明で返送され,最終的な調査対象機関数は878か所となった。回答は121か所(回収率:13.8%)から130人分の回答が得られた。 岡山県(岡山市を除くすべての居宅介護支援事業所および地域包括支援センター)・兵庫県・大阪府の居宅介護支援事業所および地域包括支援センター(統計抽出法により事業所数の30%を選定:居宅介護支援事業所1,940か所,地域包括支援センター173か所)計2,113か所を利用する認知症のある人と家族を対象としてアンケート調査を実施した。研究目的は,認知症の鑑別診断時の医療機関での対応に焦点を当て,認知症の人と家族の視点から受診・受療援助の実態を定量的に明らかにすることであった。 その結果,宛先不明等のため返送された36か所(居宅介護支援事業所32か所,地域包括支援センター4か所)を除く2,077か所のうち,調査協力が得られた138か所(居宅介護支援事業所129か所,地域包括支援センター9か所)の事業所を利用する540世帯(居宅介護支援事業所510世帯,地域包括支援センター30か所)から,235世帯分の回答が得られた(回収率:43.5%)。
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