最終年度の2022年度は、2018年度~2021年度までに実施した文献的検討や質的調査、量的調査の結果から得られた成果をまとめた研究図書「認知症が疑われる人に対する鑑別診断前後の受診・受療援助の実践モデルに関する研究」の出版に向けた会議(研究代表者ならびに研究協力者)を実施し、その後執筆・校正を行った。結果、2023年1月20日に大学教育出版より出版を行うことができた。その内容(目次)は次のとおりである。 序章:本研究の背景と概要 第一部:医療機関での受診・受療に対する認知症のある人と家族の願い(第一章:医療機関での受診・受療における認知症のある人と家族の願いに関する文献的検討、第二章:医療機関での受診・受療における認知症のある人と家族の願いに関する検討) 第二部:医療機関の診療体制ならびに連携担当者の実践すべき援助業務に関する実態調査 (第一章:地域包括支援センターの専門職からみた医療機関の連携担当者による受診・受療援助の状況、第二章:認知症疾患医療センターの連携担当者を対象とした鑑別診断前後の受診・受療援助の状況、第三章:認知症専門医のいる医療機関の連携担当者を対象とした医療機関の診療体制と受診・受療援助の実践状況、第四章:認知症のある人と家族からみた医療機関における診断後支援の状況、終章:認知症が疑われる人に対する受診・受療援助の実践モデルの検討) また、5年間に実施した学会発表ならびに教育講演の内容について、各々研究報告書を作成するとともに、研究成果を認知症関連学会で発表ならびに教育講演にて発信した。さらに、研究成果について山陽新聞より取材を受け、複数回新聞掲載された。本研究の成果は、医療機関のなかでも主たる支援者となる連携担当者の受診・受療援助の道標となること、認知症かもしれないと思い悩む人とその家族にとっての最善の受診・受療の達成に寄与することが期待される。
|