研究課題/領域番号 |
18H00950
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
細井 勇 福岡県立大学, 人間社会学部, 特任教授 (70190204)
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研究分担者 |
森 茂起 甲南大学, 文学部, 教授 (00174368)
伊藤 篤 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (20223133)
三上 邦彦 岩手県立大学, 社会福祉学部, 教授 (20381311)
杉野 寿子 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (30412373)
稲葉 美由紀 九州大学, 基幹教育院, 教授 (40326476)
阪野 学 大阪成蹊短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (50773636)
鬼塚 香 福岡県立大学, 人間社会学部, 講師 (60735992)
西澤 哲 山梨県立大学, 人間福祉学部, 教授 (90277658)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 児童福祉 / 国際比較 / ソーシャルペダゴジー / 社会的養護 / 代替的ケア |
研究実績の概要 |
児童・青少年の代替的ケアを中心とする国際比較研究であるが、2019年9月、細井、稲葉、鬼塚の3名が、デンマークのホルケ・ホイスコーレ(国民高等学校)の短期研究プログラムに参加し、デンマークの幼稚園、学童保育、障害者施設、さらにペタゴー大学等を訪問した。本比較研究では福祉レジームの観点、また、ソーシャルペダゴジーに注目するが、社会民主主義レジームのデンマークを訪問し、デンマークにおけるソーシャルペダゴジーの一端を学ぶことができた。 森、西澤、楢原(研究協力者)は、2019年10月末、イスラエルのテルアビヴで開催されたFICEに参加し、日本の児童養護実践について学会報告を行った。 2020年3月にノルウエーを訪問し、ソーシャルペタゴジーの研究者ストロー教授等と交流を計画したが、コロナ感染の問題で直前になって中止せざるを得なくなった。さらに、2020年6月の第5回のソーシャルペダゴジー学会で、スコットランドからソーシャルペダゴジー研究者マーク・スミス教授を招聘する予定で準備を進めていたが、延期となった。 2019年3月のスコットランドとロンドンを7名で訪問し、イギリスにおけるソーシャルペダゴジー導入の現状を現地調査したが、その中間報告書を2020年3月に刊行した。第3回ソーシャルペダゴジー学会(2019年7月)で森は代表してイギリスの出張報告を行った。第4回ソーシャルペダゴジー学会(2020年1月)で森はFICE参加報告を行った。 細井は、2019年10月の小舎制養育研究大会(於別府)で、「ソーシャルペダゴジーと児童福祉施設」と題して基調報告を行い。2020年3月報告書が刊行された。2019年3月に実施した福岡県立大学社会福祉学会第10回大会で細井は基調報告を行ったが、藤林児童相談所長、児嶋石井記念友愛社理事長の講演とともに纏め、2020年3月、大学のホームページで公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多くのメンバーでイギリスを訪問し、イギリスにおけるソーシャルペダゴジーの導入とその現状について知見を得ることは、本共同研究の中心的課題であったが、それを1年目で実現できたことは大きい。2年目である本年は、その中間報告をまとめ、冊子にして刊行することができた。研究成果を広く関係者に共有していただけることになったと思う。 しかし、2020年3月からコロナ感染が世界に広がり、国際的な調査と交流が困難になってしまった。2020年3月に予定していたノルウエー訪問は直前になって中止となってしまった。元エジンバラ大学のマーク・スミス教授は、ソーシャルペダゴジー研究の第一人者であるが、日本への招聘(2020年度計画)の準備を進めていたが、困難になってしまった。2020年6月に予定していた第5回ソーシャルペダゴジー学会も中止となり、情報の共有ができなくなってしまった。 ただ、2019年度においては、第3回と第4回のソーシャルペダゴジー学会が予定通り開催され、海外での情報収集や得られた知見の報告ができた。また、細井は、福岡県立大学学内学会第10回大会のまとめを行い、大学ホームページ上で公開した。2019年10月に実施された全国小舎制養育研究大会(於別府)で細井は基調報告し、報告書の刊行に至っている。また、細井は児童養護実践学会で過去2回基調報告を行ったが、その内容は『設立10周年記念誌」(同学会、2020年1月刊行)に掲載された。 以上、これまでの国際比較研究で得られた知見を報告し、報告書にまとめることはかなりできた年であった。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ感染の影響により、当面は海外出張も、国内学会も開催できない状況にある。2021年の1月、2月、3月にかけたい。 2021日1月には、ソーシャルペダゴジー学会を開催し、マーク・スミス教授の招聘を実現させ、国際シンポジウムを開催したい。 本来9月に予定していたドイツ・ベルギー訪問は2021年2月に延期して実施し、ソーシャルペダゴジーの実践についての知見を深めていきたい。とくにベルギーに初めて訪問し、ソーシャルペダゴーグらの養成教育について大学を訪問し知見を得たい。 2020年3月に予定していたノルウエー訪問は2021年3月に実施し、オスロ大学のストロ―教授らとの交流を実現させたい。 3年目は最終年度であるので、全体の研究成果報告書をまとめたい。
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