研究課題/領域番号 |
18H00957
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
櫻井 純理 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (10469067)
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研究分担者 |
神崎 淳子 金沢星稜大学, 経済学部, 准教授 (00569353)
長松 奈美江 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30506316)
阿部 真大 甲南大学, 文学部, 教授 (60550259)
仲 修平 明治学院大学, 社会学部, 准教授 (60732401)
筒井 美紀 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70388023)
嶋内 健 立命館大学, 産業社会学部, 授業担当講師 (70748590)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アクティベーション / デンマーク / ソーシャルワーカー / ジョブセンター / 労働組合 / 地方自治体 / 就労支援 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本社会に広がる経済的困窮と社会的排除を研究対象とし、社会政策の立案・実施を通じた問題解決を提言することを目的としている。2020(令和2)年度に予定していた主な活動は、①国内政策の実証的研究:大阪府内の基礎自治体を対象とした調査研究、②海外の政策研究:北欧諸国のアクティベーション政策に関する調査・分析であった。 このうち、①については質問紙調査の実施に着手した。聴き取り調査は2021(令和3)年度に実施し、両者を統合した分析と成果公表は先送りすることとなった。②の北欧調査については、コロナ感染拡大の影響を受けて見送りを余儀なくされ、2022年度まで予算を繰り越して実施した。したがって、①は令和3年度の実績報告書に記載することとし、以下では2022(令和4)年度に実施した②について記載する。 調査は2023(令和5)年3月6~13日にかけて、デンマークで実施した。訪問先は地方自治体のジョブセンター(4地域)、ジョブセンター職員等のソーシャルワーカーが加入する労働組合(産別団体と単位組織)等である。本調査の意義として、以下の3点を挙げることができる。第1に、研究代表者らのグループでは2017年3月にコペンハーゲンのジョブセンターを調査したが、今回はコペンハーゲンに加え、ヒレロウ・ソルルート・オーデンセの3自治体にも調査したことで、デンマーク国内の自治体間比較が可能になった。第2に、コペンハーゲンのジョブセンターについては、事業所実習や補助金付き雇用を統括する組織に調査し、これらの政策の内実を明らかにできた。そして第3に、労働組合に調査したことで、ソーシャルワーカーの労働実態に関する知見が得られたことである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の通り、2020(令和2)年度当初時点で計画していた活動のうち、国内での調査研究は同年度内に着手し、2021(令和3)年度に繰り越した予算で翌年度に活動を完結することができた。しかし、海外調査についてはコロナ禍の影響により、2020~21(令和2~3)年度に実施することができなかった。後者については事故繰越制度を活用することで、2022(令和4)年度に実施した。 したがって、予定していた実証的研究の主要部分は2022年度中に実施することができた。とはいえ、本来であれば2020年度末までにすべての調査を終了し、2021年度に(繰越制度を活用して)成果を公開するシンポジウムのような機会を持つことを展望していたが、成果の公表と社会への還元という段階には到達することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
国内の地方自治体に関する調査研究については、2021年度に継続実施し、後継の科研費研究も活用して発展させる。また、今次の科研の研究期間内に遂行できなかったデンマーク調査の結果分析・公表については今後調査報告書を取りまとめるとともに、研究代表者や研究分担者が学会での口頭発表や学会誌等への投稿を通じて実施していく。
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