研究課題
本研究の主要な目的は、日本社会に広がる経済的困窮と社会的排除に対して、問題の解決につながる社会政策とはどのようなものかを探ることである。2021(令和3)年度は、前年度末に着手していた豊中市での調査研究の実施と公表を中心に進めた。調査は豊中市の生活困窮者自立支援相談窓口の来談者に対して行ったもので、①来談者にはどのような特徴があるのか、②支援ニーズは何か、③自治体相談窓口はどのような観点から評価されているのか、の3点を主要なリサーチ・クエスチョンとした。調査方法は2種類で、2021年2月に質問紙調査を、同年4~8月にかけて聴き取り調査を行った。本研究の特長は、第1にサービスの需要側に焦点化していること、第2に来談者のライフヒストリーと結びつけた解釈を試みていること、第3に研究者が来談者に直接接し、間接的接触がもたらす制約を受けないことである。調査結果は社会政策学会第143回大会(2021年10月16日)の分科会で報告し、学会誌『社会政策』第42号の小特集として論文も発表した。本研究の成果は、自治体相談窓口に来談した市民の特徴を詳らかにしたのみならず、公的相談サービスが「ささやかなウェルビーイング」をもたらす「制度的な弱い紐帯」として機能することの重要性と問題点の双方を指摘した点で、重要な意義を有している。本年度には計5回の共同研究会を開催し、そのなかでは福祉・教育分野の外部研究者を招いた学習会も実施した。また、上記以外の活動として、研究分担者の仲修平氏が2021年11月13日の生活困窮者自立支援全国研究交流大会で「パンデミック下の狭間・孤立・困窮問題と制度(支援)が向き合う課題」をテーマに研究発表を実施している。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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WELFARE
巻: 第11号 ページ: 46-52
社会政策
巻: 第13巻第1号 ページ: 59-62
巻: 第13巻第1号 ページ: 63-73
巻: 第13巻第1号 ページ: 74-83
巻: 第13巻第1号 ページ: 84-95
巻: 第13巻第3号 ページ: 28-41
International Sociology
巻: 36 ページ: 194~205
10.1177/02685809211005350
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