研究課題/領域番号 |
18H00958
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研究機関 | 吉備国際大学 |
研究代表者 |
高橋 睦子 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (50320437)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 予防的支援 / 産前・乳幼児期 / フィンランド / イギリス |
研究実績の概要 |
本研究では、妊娠初期から乳幼児期の子育て家族支援において、(1)予防とは何か、(2) 予防はどのような変化や効果をもたらすか、(3)予防的な支援の普及に向けての政策化ではどのような課題があるのか、という三点が主要な問いである。本年度は前年度までの文献研究をさらに深めつつ、子育て支援と母子保健の多様な専門職や関係者のための合同研修を実施した。 本年度の文献研究は、これまでの英語圏の学術論文の精査をさらに進めた。問題やリスクが顕在化・深刻化しないよう予防的に支援するためには、当事者と支援者の間に継続的な関係性の構築が不可欠であることを確認した。国内の近代・現代の親子関係や子育てについての研究文献は事後対応に集中し、予防的な支援の言説そのものがまだ定着しておらず、これからの政策形成にとっての課題が予見された。 新型コロナウィルス感染症のために海外の研究協力者の来日を見合わせざるを得ず、合同研修はウェビナーとして2回実施した。1回目「親子への早期の予防的支援」は9月21日に東京とフィンランド(タンペレ応用科学大学)をオンラインで繋ぎ英語・日本語の同時通訳も含めて実施した。計40名の専門職・研究者が参加し、「日本の子育て世代包括支援の課題と可能性:フィンランドとの対比から」、「新たに動き始めた日本の母子保健専門職 : 現場の視点からみた連携の課題」という二つの講義を軸に両国間で活発な質疑応答が行われた。2回目は11月25日にフィンランド(タンペレ文化センターとタンペレ応用科学大学)を中心に実施し、予防的な相談支援の実習ビデオ教材(日本語字幕付)も視聴し親子コミュニケーション支援のあり方について考察した。1回目のウェビナー録画内容はイギリスの研究協力者とも共有し、親子支援における予防の重要性を政策の議論に反映させていく上での専門的な助言を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症のため対面での研究活動(研究協議、現地調査など)ができない状況が発生し活動計画の一部見直しを余儀なくされ、軽微な遅延が発生した。
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今後の研究の推進方策 |
オンラインでの活動をさらに活性化させることで全体の進捗スピードを上げ、研究を計画通り完遂する。
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