マルトリートメントや虐待のリスクを早期に予防するためには、子どもが生まれてからではなく妊娠期からの継続的で整合性のある関わり方が重要である。子育て支援や母子保健の支援者が妊産婦本人を尊重し対話的な相談支援を積み重ねていくことで妊産婦との信頼関係を培うことは、予防的な切れ目ない支援にとって不可欠である。妊産婦や親子の問題に注目する介入的な支援は、子どもの生命が脅かされるようなハイリスク対応として必要である一方、より早期の段階におけるリスクの防除としての予防的な支援は支援の連続性と整合性、および当事者との信頼を構築できる支援者の対話的な相談支援技能に基いている。
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