研究課題/領域番号 |
18H00967
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
下田 敦子 大妻女子大学, 人間生活文化研究所, 准教授 (60322434)
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研究分担者 |
大澤 清二 大妻女子大学, 人間生活文化研究所, 特別研究員 (50114046)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ミャンマー135民族 / 民族服製作技術 / 無文字社会 / 技術学習過程 / 最適化方法論 |
研究実績の概要 |
東南アジアの博物館には多様な伝統民族服を保存し展示しているが、民族服の製作技術に関する詳細な知識は殆どの民族について蓄積されていない。更に近年では、民族服の製作技能保有者、継承者は全域的に激減しつつある。彼らの社会の殆どが無文字社会の為に学習マニュアルや文字資料が残されておらず消失が危惧されている。 本年度の研究成果:そこで多民族国家ミャンマー全域において収集した民族服のうちから(頭飾りや腰に差す鞘と刀など、装飾品も含めて伝統様式を保証した)男女共に完全な型式が揃った正装民族服を選び、それぞれの製作技術過程、身体技術、技術用語、寸法などに関する情報を収集し「民族服データベース」への登録作業を行った。更に、民族服の製作技能保有者を対象に正装民族服の技術要素の残存状況についての調査を行った。 意義、重要性:従来の東南アジア諸民族の伝統民族服研究は主として服自体に関心が向けられ、製作技術の記述、保存や次世代への継承に関する問題意識は希薄であった。彼ら社会の殆どは無文字社会であったので文字、画像などを用いた技術伝承がなく、貴重な製作技術文化は消失目前である。本研究ではミャンマーの正装民族服の伝統民族服製作技術の製作過程を記録保存するとともに、その技術を継承しやすくする教育科学的な学習方法を探究している。 これまでと同様、本研究はミャンマーにおける調査研究の拠点である国立民族大学の全面的な協力により遂行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査研究の拠点であるミャンマーの協力機関(国立民族大学)の協力により遂行することができた。日本側研究者とミャンマー側研究協力者は、オンラインにより頻回に打合せをして作業を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
多民族国家ミャンマー全域において男女共に完全な型式が揃った正装民族服を可能な限り収集するべく、不足分を引き続き収集する。さらに、激減しつつある民族服の製作技能保有者について調査を行い、技術要素の残存状況に関する情報を収集する。
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