研究課題/領域番号 |
18H00970
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
横井 敏郎 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (40250401)
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研究分担者 |
岡部 敦 札幌大谷大学, 社会学部, 准教授 (00632340)
高橋 寛人 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 教授 (10188047)
安宅 仁人 小樽商科大学, 商学部, 教授 (20513675)
篠原 岳司 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (20581721)
伊藤 健治 東海学園大学, 教育学部, 准教授 (30781471)
本山 敬祐 東北女子大学, 家政学部, 講師 (50737640)
西村 貴之 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 准教授 (60533263)
園山 大祐 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (80315308)
滝沢 潤 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (20314718)
武田 るい子 清泉女学院短期大学, その他部局等, 教授 (20442171)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 公教育制度 / 義務教育制度 / 教育機会保障 / 教育の自由 / 早期離学 / 学校外教育 / 居場所 |
研究実績の概要 |
2019年度は本科研の2年目である。国外調査では、カナダとイギリスの第二次調査を実施した。カナダではオタワとカルガリーを事例に、リスクを抱えた若者を支援する教育プログラムと体制・実施機関について、高校中退者の学び直し、少年矯正、eラーニングやホームスクーリングなどの提供を行うNPOや学校・教育委員会への訪問調査、教育行政・法務行政とNPO・教育委員会の連携体制の分析などを行った。イギリスではリーズ市の障害生徒に初等中等段階の提供するスワースモア学習センター、同じくスタディプログラムを提供する教育機関を訪問調査した。ここでは福祉行政と教育行政が連携し、個別教育支援と福祉サービスを同時提供する体制が作られていた。この他に、アメリカの調査も計画していたが、新型コロナウイルス感染症拡大のため中止した。 国内については、高校内居場所カフェ調査、刑務所内中学校(松本市立旭町中学校桐分校)調査、愛知県での夜間学級、外国人の子ども支援NPO・豊田市国際まちづくり推進課、および無認可障害児学校・福祉型カレッジ(見晴台学園)への調査、全国夜間中学校研究大会参加・資料収集などを行った。カナダ・イギリス調査をまとめた論文、高校内居場所カフェに関する書籍・研究会記録を刊行したほか、それらや夜間中などに関する学会報告も実施した。年2回研究会を行うこととしているが、年度末予定の研究会は中止したため、成果報告・検討を行うことができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はカナダとイギリスの第2次調査を実施し、早期離学や義務教育未修了者への教育機会保障政策・法制、セカンドチャンススクールや代替的補償的教育を行う施設・機関の実際を把握することができた。国内研究においても高校内居場所カフェ、夜間中、外国人の子ども支援NPO、福祉型教育機関などの調査ができ、学会発表や論文刊行もできた。アメリカ調査と研究会(1回)を中止したが、次年度に延ばししても大きな影響はないため、(2)と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の課題は、国内の義務教育段階の多様な学びの場の広がりに関する現状調査、日本の義務教育・公教育法制の検討(歴史的検討を含む)、海外の多様な学びの場の実態調査と義務教育・公教育法制の検討、日本と海外諸国における義務教育の拡充・改革方策の調査・研究に分かれる。2020年度も引き続き国外調査を進めるとともに、国内調査を中心に研究を推進する。 国内の多様な学びの場調査では、引き続き無認可障がい児教育学校・福祉事業型カレッジ、少年刑務所内教育機関、公立夜間中学校/自主夜間中学校、学習支援教室・公設民営塾などを取り上げるほか、通常学校が取り組む校内の居場所づくりなどの取り組みも対象に含めて検討する。日本の義務教育法制に関しては、就学義務制度と年齢主義・課程主義、教育行政と福祉行政等の関係構造、私学設置法制と学校設置基準を歴史的法制的に検討する。 国外研究では今年度はフィンランドとアメリカを対象に中等教育の多様化、学齢超過者やマイノリテのための教育機関の調査を行い、教育法制と公教育空間の拡張について明らかにして、日本との比較を行う。 新型コロナウイルスの感染が国内外で広がっており、調査が困難となった場合は翌年度に調査を繰り越すか、訪問調査をしないで実施できる研究に切り替えるなどの方法を検討する。
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