研究課題/領域番号 |
18H00977
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
津田 英二 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (30314454)
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研究分担者 |
稲原 美苗 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00645997)
松岡 広路 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (10283847)
岡崎 香奈 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (20737332)
大田 美佐子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (40362751)
清野 未恵子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (40570966)
赤木 和重 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (70402675)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 文化芸術活動 / 障害者 / アクションリサーチ / 日韓比較 / 生涯学習 / 価値のジレンマ / 支援者の葛藤 |
研究実績の概要 |
日本社会教育学会において継続的に障害者の文化芸術活動を含む生涯学習をテーマにした研究協議を行い、2021年6月6日と9月10日にオンラインの公開研究会を実施し、協議に参加した。また、基礎教育保障学会でもこのテーマについての継続的な研究協議を開始し、9月18日の研究大会でオンラインでの公開協議を行った。12月18日には組織間の交流協定に基づき、韓国ナザレ大学、社団法人ラハプとの研究交流集会をオンラインで実施した。日常的には、兵庫県を舞台とした障害者の文化芸術活動を中心とした学びの機会の創出モデル開発を行った。加えて、新型コロナ感染拡大の影響を大きく被ったものの、附属施設「のびやかスペースあーち」におけるアクションリサーチの継続、知的障害者を対象とした体験新喜劇プログラム開発、附属特別支援学校におけるアクションリサーチなども行った。 これらの研究成果の公開は、各種の研究論文の他、学会等での協議における口頭発表、報告書の作成等などでも行った。その中で今後の研究のベースとなる具体的な知見として、2020年度に実施した障害者の文化芸術活動をテーマとした意識調査の結果を分析することを通して、障害者の文化芸術活動作品の価値づけに対するジレンマの詳細、障害者自身の葛藤状況などについて考察する材料を得た。また、文化芸術活動に取り組む障害者の活動条件に関する日韓比較なども行い、背景となる思想・哲学の差異なども検討した。研究協議においては、教育福祉論、発達保障論、福祉教育論をベースとしながらそれらを融合発展させていく方向で検討を進めるなどした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染拡大に伴い、研究協議は概ねオンライン開催となり、海外渡航も中断となった。オンラインでできることは手を尽くしたが、直接的な経験を必要とする文化芸術の分野では対面とオンラインとでは、できることの質と量に大きな差異が現われる。また、同様の理由でアクションリサーチのフィールド自体が活動制限を受け、成果自体も期待を下回った。 とはいえ、その中でも代替の措置を行い、特に大規模な意識調査の実施に伴うデータ分析やそこから得られた知見を基にした協議では、予期していなかった成果があった。また、オンラインにおける研究交流によって、期待以上の人数の日韓の関係者が意見交換の輪に加わることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度検討した基礎的な知見について検討を深め、現在進行している障害者文化芸術推進政策、障害者生涯学習推進政策ともリンクし、政策推進に対して有効な知見を提供することも意識して、成果をまとめ公表していく。 海外との共同研究については、韓国との共同研究や学術交流を組織的に進めて成果の公開につなげていく。また、米国や英国や豪州などにおける障害者の文化芸術をテーマとした研究交流を再開していく。 新型コロナ感染拡大に伴う各種の制約が緩和されたならば、各種のアクションリサーチの回復と充実を進めていくことが当面の目標となる。 学会等を通して、研究者間のネットワークをさらに広げることで、障害者の文化芸術活動に関わる研究の質と量の向上に貢献していく。
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