研究課題
日本国内における思春期小児の身体活動ガイドライン達成状況に関わる睡眠習慣および生活習慣の解明を目的とした.9つの研究機関に所属する12名の研究者による組織を構築し,1都1府8県に所在する小学校11校および中学校10校の,合計21校で横断調査を実施した.最終的な分析対象者は,小学5年生~中学2年生の児童生徒3,123名であった.身体活動ガイドラインで設定されている基準に則り,中高強度身体活動(MVPA)時間が60分間/日未満の対象者を「非達成群」に,60分間/日以上の対象者を「達成群」に分類した.睡眠に関しては,平日および週末の睡眠時間,ソーシャルジェットラグを評価した.日中の眠気を評価する尺度には,日本語版子どもの日中眠気尺度(PDSS-J)を用いた.加えて,学校から帰ってきて就床するまでの間の仮眠時間を回答させた.生活習慣に関する項目として,スクリーンタイムおよび朝食摂取状況を調査した.身体活動ガイドライン達成状況に関係する睡眠習慣および生活習慣を明らかにするため,目的変数を身体活動ガイドラインの達成状況(非達成群: 0,達成群: 1)に,説明変数を学年,BMIパーセンタイル,平日および週末の睡眠時間,ソーシャルジェットラグ,日中の眠気,帰宅後の仮眠の有無,スクリーンタイム,および朝食欠食の有無とした多変量ロジスティック回帰分析を実施した.多変量ロジスティック回帰分析の結果,小学5・6年生男子において,日中の眠気の強さと身体活動ガイドライン達成状況に負の関係を認めた.一方で,小学5・6年生女子では全項目で有意な関係性は認められなかった.また,中学1・2年生男子では大きいソーシャルジェットラグおよび朝食欠食が,中学1・2年生女子では適正範囲を超えた週末の睡眠時間および長時間のスクリーンタイムが,それぞれ身体活動ガイドライン達成状況と負の関係があることが確認された.
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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