研究課題/領域番号 |
18H01001
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
古川 恵美 畿央大学, 教育学部, 准教授 (20636732)
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研究分担者 |
石崎 優子 関西医科大学, 医学部, 准教授 (20411556)
鯵坂 誠之 大阪府立大学工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60634491)
池田 友美 摂南大学, 看護学部, 准教授 (70434959)
岩坂 英巳 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (70244712)
中村 恵 畿央大学, 教育学部, 准教授 (90516452)
信迫 悟志 畿央大学, 健康科学部, 助教 (50749794)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 特別養子縁組 / 里親 / 養親 / 発達障害 / ペアレント・トレーニング / 家族支援 / 愛着障害 |
研究実績の概要 |
2018年度は、研究全体の方針を公益社団法人家庭養護促進協会大阪事務所のソーシャルワーカーを含めたメンバーで確認し、各研究を組織的に組み直した。4月の第1回研究会は、今後の研究計画と役割分担、研究方法を確認した。5月の第2回研究会は、研究の対象に「発達障害の疑い」も含めることを確認した。6月の第3回研究会は、養子縁組を前提とした里親や養親を対象とした質問紙調査およびインタビュー調査について、内容や依頼方法について検討。8月の第4回研究会は、イタリア視察(鯵坂・池田)、ニュージーランド視察(古川)、フィンランド視察(石崎)の報告。本研究では、フィンランドのネウボラの視点を加えることが重要であるとメンバー間で確認。10月の第5回研究会は、里親・養親を対象とした質問紙調査・インタビュー調査の実施状況を報告(質問紙調査:石崎、インタビュー調査:古川)し、分析方法について検討。11月の第6回研究会は7th World Congress of Asian Psychiatry における発表内容を確認(福地)。ネウボラの4歳児健診視察の機会を提案(中村)。ペアレント・トレーニングの実践について報告(古川・岩坂)。12月の第7回・1月の第8回研究会は、今後の研究の流れや成果発表について審議。 2018年度の成果は、(1) 里親・養親の質問紙調査を実施。(2) 里親・養親のインタビュー調査を実施。(3) 「ネウボラとフィンランドの電子カルテKantaの情報管理に学ぶこと」を発表。(4) 養親の実態調査(インタビュー調査)を実施。(5) 第7 回アジア精神医学世界大会(7th World Congress of Asian Psychiatry)で里親・養親へのインタビュー調査の発表。(6) 養親対象、養親以外対象としたペアレント・トレーニング(基本プラットホーム)を実施中。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題【発達障害のある子どもの里親・養親を対象としたペアレント・トレーニングの開発】を行う上で必要な里親・実態調査、海外視察が当初の計画以上に進展している。 2018年度は養親に対する質問紙調査やインタビュー調査の実施内容や方法について検討することを計画していたが、公益社団法人家庭養護促進協会大阪事務所の協力を得て、縁組前の里親時期に抱いた困難感についての質問紙調査や、ペアレント・トレーニングに期待する思いに関するインタビュー調査が実施できた。それに伴い海外発表および複数の海外視察を2018年度中に実施することができ、後年度の交付予定額を前倒しして研究をすすめることができた。養親グループ、養親ではないグループでも「発達障害あるいはその心配をする保護者」対象のペアレント・トレーニングも計画通りに実施できている。現在は、2019年度中に複数の学会発表・論文投稿の準備を整えているところである。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度について 1)里親・養親への医療支援に関する実態調査:2018年度に公益社団法人家庭養護促進協会大阪事務所の協力を得て、養親265組に質問紙を郵送し(返送数134通:回収率50.6%)、里親・養親が医療機関で困った経験と医療機関に望むことに関する調査を行った。2019年度はこの調査を分析し、日本小児科学会、日本小児保健協会等において学会発表および学会誌への投稿を実施または実施予定している。2)子育てに困難感を伴うと里親・養親が考える「行動」等の抽出 ①文献調査 ②児童相談所・里親支援機関等の職員を対象としたインタビュー調査と分析 ③里親・養親へのインタビュー調査と分析 3)妊娠時より就学前までの家族支援を行っているフィンランドにおいて里子・養子への支援の実際を中心とした視察調査 4)ペアレント・トレーニングの実施と、事後評価、インタビュー調査。 2020年度について:これまでの研究から、養子縁組を前提とした里親・特別養子縁組の保護者を対象としたペアレント・トレーニングのプログラムを開発し、ペアレント・トレーニングの実践 2021年度について:フィンランドの養子縁組に関わる研究者を招聘したシンポジウムの開催およびペアレント・トレーニングの指導者養成のためのプログラム開発 2022年度について:それぞれが行ってきた研究の共有、総括をする。
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