研究課題/領域番号 |
18H01003
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
清水 将 岩手大学, 教育学部, 准教授 (20547872)
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研究分担者 |
上野 耕史 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (20390578)
廣瀬 勝弘 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (00347080)
村瀬 浩二 和歌山大学, 教育学部, 教授 (90586041)
立花 正男 岩手大学, 教育学研究科, 教授 (00390576)
森本 晋也 岩手大学, 教育学研究科, 准教授 (70784312)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 複式授業 / 異学年合同授業 / 遠隔研修 |
研究実績の概要 |
へき地・小規模校でおこなわれることが多い異学年合同・複式授業の「指導と評価の一体化」を推進し、学校の実情に応じたカリキュラムマネジメントができる教師を育成するため研修プログラムの開発をおこなうことを目的としている。 本年度は、新学習指導要領における各教科の構成原理の理論的検討をおこなうことが課題であり、そのために各教科の教育課程の内容とその取り扱いを比較検討し、複式指導の類型を選択する際の留意事項を明確化して、知識教科の複式指導における指導と評価の一体化ための基礎的な知識を整理した。新学習指導要領で導入される3観点での目標に準拠した評価への整合性を検討することも課題である。 研究課題の核心となる異学年合同・複式授業の担当が教師の職能成長に有効な勤務形態になるかという点に関する検討では、複式の授業を担当することが隣接学年のみならず、教科の内容や系統性に対する理解を図ることに直結し、カリキュラムマネジメントに関する能力を向上させることに資すると考えらる。教員養成段階において異学年合同・複式授業の実習をおこなうことによって、児童の視点からのカリキュラム編成が実感され、教師の職能成長に有効であることが示唆された。小規模校におけるカリキュラム開発には、行事等のあらゆる教育活動を含めたカリキュラムマネジメントのためのツールであるシートの開発も必要であると考えられた。異学年合同・複式授業を担当する場合には、「指導と評価の一体化」にとどまらず、教育課程の実施・評価・改善という俯瞰的視点が必要とされることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、新学習指導要領における各教科の構成原理の理論的検討をおこなうことが課題であり、各教科の教育課程の内容に関する複式指導の類型を選択する際の留意事項を明確化することによって、知識教科の複式指導をまとめる予定であったが、研究代表者の急病により、十分な進展を図ることができなかった。 課題に対しては次年度に向けて達成を図る予定である。
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今後の研究の推進方策 |
複式指導の類型及び教師教育としての内容の標準化、各教科の構成原理の整理に関しては予備的な資料収集は終わっているため、次年度以降論文として発表する。 遠隔研修を実現するテレビ会議システムについては、汎用性のある一般的アプリやソフトを使用して、最小限の初期投資で可能にする方策を考え、その実用化に向けた課題を抽出する。また、遠隔の双方向通信システムは研修のみならず児童の相互交流を実現し、小規模校の新たな教育方法となる可能性も同時に見出されるため、新たな授業方法の開発とその研修についても研究対象としていく予定である。
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