研究課題/領域番号 |
18H01003
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
清水 将 岩手大学, 教育学部, 准教授 (20547872)
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研究分担者 |
廣瀬 勝弘 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (00347080)
立花 正男 岩手大学, 教育学研究科, 教授 (00390576)
上野 耕史 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (20390578)
清水 茂幸 岩手大学, 教育学部, 教授 (70272185)
村瀬 浩二 和歌山大学, 教育学部, 教授 (90586041)
菅野 亨 岩手大学, 教育学研究科, 教授 (70882281)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 複式授業 / 遠隔授業 / 遠隔研修 |
研究実績の概要 |
小規模・複式校における授業方法およびその研修方法を検討してきたが、2019年以降、新型コロナ感染症(COVID-19)がわが国にまん延した影響により、各学校では、既存の教育方法の維持が困難な状況が続いている。2020年には、WHOによって「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」、「パンデミック宣言」が発せられ、わが国でも2月には全国小中学校の一斉休校が要請され、4月には全都道府県を対象に政府から緊急事態宣言が発令され、3密の回避、人流の抑制や不要不急の外出自粛などが求められ、働き方についてもテレワークの導入が進み、人々の行動様式も変化した。休校の状況下でも児童生徒の学びを止めないようにするため、学校教育も急速に変化することになった。その結果、児童生徒の学びは学校だけに止まるものではなく、遠隔授業やICT機器を活用した新たな学び方がグローバルスタンダードにあわせて模索されるようになっている。このような状況の変化に対して、学校現場では、2023年度達成予定のGIGAスクール構想の前倒しが行われ、2021年までに児童生徒への1人1台端末の整備が行われ、オンライン学習が可能な教育・学習環境に変化した。ICT端末に対応した教師教育は、喫緊の課題となっている。本研究では、これらの状況を鑑みながら、新たな行動様式や教育方法に対応した授業の実施形態と教師教育のあり方について検討課題とすることとした。 小規模・複式教育において課題とされてきた教育は、ICT端末の整備により解決する可能性も示されることになり、このような状況下において、ICT端末を活用した遠隔合同授業の実施とそれに伴う教師の学びを研究課題の中心に捉え、教員養成、現職研修、授業づくり実践を相互に関連させながら課題を検討した。現況の環境における課題の抽出とその課題解決へ向けて、実践的に検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の感染拡大により、県境を越えた移動ばかりでなく、県内においても感染予防の観点から学校への立ち入りが制限される状況が続いている。離島や中山間地では、医療体制も脆弱であるため、研究対象とする学校に赴くことができず、研究の遂行に大きな遅れが生じている。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置等、政府や各自治体の感染再拡大や医療逼迫への対策に対応しながら可能な範囲で活動することにより、研究遂行へ向けて遠隔も含めて新たな方法を開発していきたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症による新規感染者数は現在でもなお終息の兆候は見られず、オミクロン株等の新たな変異株への置き換わりによって下げ止まりの傾向も見られている。これまでに感染が抑えられていた地域においても感染の拡大傾向が見られ、予断を許さない状況にある。県境を越える移動の制限や学校訪問の自粛等、未だに研究環境は改善されない地域もあり、研究課題の解決には問題が山積しているが、一方で、GIGAスクール構想の進展により、学校には新たな子供たちの学びの環境が構築され、それに伴って教員もこれまでとは異なる学びの機会に恵まれている。これらの新たな教育環境を活用し、OFF-JTとしての研修からOJTとして新たな教育方法に教師が携わることによってONとOFFを区別せずに学ぶ教師教育のあり方を探り、その効果を検証することを検討している。
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