研究課題
本研究は、へき地・小規模校で行われる異学年合同、複式授業の「指導と評価の一体化」を実現するための研修プログラムを開発することを目的としていたが、しかし、研究期間中にCOVID-19の感染拡大という未曾有の事態に直面し、医療体制が脆弱なへき地においてアクションリサーチ的に研修開発を行うことが非常に困難な状況に陥った。一方でCOVID-19による新たな生活様式は、教育現場のみならず現代社会に多くの変革をもたらすことになり、これらに合わせた教師の学びを提供する必要性も生じたことによって、研究開発当初の課題意識である遠隔的な研修の開発は、遠隔研修そのものが簡便に実現可能となり、教師の学びを支える教員免許の更新制度も発展的解消されたことにより、研究の枠組みや目的を修正する必要が生じている。このような劇的な変化に対応して研究を進めるため、へき地における小規模校において学校の実情に応じたカリキュラムマネジメントができる教師を育成研修のあり方を探り、小規模校の複式指導を経験することで、カリキュラムを管理し、開発することが教員を育成し、小規模校への配置が教員としての学びとなることを前提に、小規模校に配属された教員の資質・能力を向上させる教師教育のあり方と具体的な方法の開発を行った。Web会議システムを利用した遠隔研修を行うことを中心としながら、ブレンデッドラーニングにより、多様な方法を用いて教師の学びを深めることの有効性や複式授業担当者によって、反省的に実践を重ねる必要が示唆された。複式学級において担任することは、教育課程の実施・改善・評価を実践することになり、指導だけでなく、カリキュラムをマネジメントする能力の向上に直結する。つまり、単純に複式学級の授業における単位時間の効果的な指導だけではなく、通常学級を持つ中規模以上の学校における教育課程の改善にも寄与すると考えられた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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