研究課題
今年度は、「軍事郵便から見えてくるもの」(上田淳悟主幹教諭:盛岡市立上田中学校)の授業実践に関して、昨年度おこなった学際的な検討をもとに、新たなに単元「第二次世界大戦とアジア」(6時間)全体を組み替えて、歴史教育実践を構想した。昨年の単元では第二次世界大戦-太平洋戦争-戦争終結という時系列での学習を終えたあとに、軍事郵便に焦点をあわせた授業実践を実施するというものであった。しかし、軍事郵便と戦局全体を関連させて全体を進めるべきという指摘をうけて組み替えたものである。その点において、軍事郵便の発信時期と発信地を集計した教材を新たに開発し、「支那」から「南方」へと戦局が拡大していくことを関連させて理解できるものであった。加害と謝罪の問題も深めるべきという指摘をうけて、戦争を支える村の在り方(加担)を『眞友』(在郷軍事会会報)の内容から、事実を読み取れるように資料の補強をおこなった。平和観音堂を建立した、戦後の高橋峯次郎の行動の意味を示すことで、謝罪の問題に応答した。前年の単元全体を全面的に組み替えて、軍事郵便と『眞友』という資料を正面に据えた実践として定立させた。今野は、「なぜ戦争体験を継承するのか」のシンポジウムで、「感性的認識」と「理性的認識」について提言した。外池は、戦争体験の「語り」の継承について、「被爆体験伝承者」による講話を対象に、その量的分析と質的分析を実施した。土屋は、戦争記念碑が集合的記憶と個人的記憶の形成と維持に果たす役割や意義に関する検討を行った。小瑶は「歴史と現在」を往還する歴史授業の今日的な意味・意義を理論的に究明した。河西・伊藤は、射程を拡げて、ともに、仙台や福島の戦後の地域における学校や文化運動を対象に考察を加えた。伊藤は、グループワークの手法も実施した。二宮は、イギリスのEPQを対象に、歴史科における探求的な学びの評価に関しての研究を進めた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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大和大学社会学部研究紀要
巻: 2 ページ: 15-44
秋田大学教育文化学部研究紀要 教育科学
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秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要
巻: 45 ページ: 1-14
東北学院史資料センター年報
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社会文学
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