研究課題
本研究は、ESD/SDGsの授業カリキュラムの開発、学校と地域のESD/SDGsに関する連携事業の事例収集、ESD/SDGsの地域レベルでの学習モデル、という3つの目標を掲げて進められた。研究後期の2019年末に発生したCOVID-19感染は、2020年にはパンデミックとなり、対面による研究活動が難しくなり、ICTの活用、オンラインにより研究が進められたが、一部計画に遅延が生じ、期間の延長となった。“地域の人材育成のネットワークづくり”では、気仙沼、平泉、大崎、仙台、只見の5地域に絞ってモデル化した。大崎市では世界農業遺産の副読本を作成し、只見町では小学生の米作りから米焼酎造りという地域産業の活性化などの実践が行われた。“地域ネットワークを活用した地域づくりカリキュラム”については、本研究の報告書、報告会、実践校の主体的な発表などを通じて、東北全体に広がった。平泉のユネスコ世界文化遺と『平泉学』を活用した学校教育と社会教育・地域教育との連携による地域づくりは、地域の歴史や伝統を生かした地域づくりとなり、ユネスコ創造都市ネットワーク推進地域などにも影響を与えつつある。気仙沼市では、小中高校の持続可能な人材育成カリキュラムと円卓方式による教育実践交流による地域づくりの基礎の上に、“高校教育の在り方の検討”など人材育成の新たな議に発展している。大崎市の世界農業遺産を活用した地域資源の情報発信、持続可能な農業の付加価値化、持続可能な地域人材育成を柱にした地域づくりから、若者の人材育成にESDを取り入れる動きなども生まれた。只見町は、ユネスコエコパークを活用した「地域の自然環・伝統文化・地域産業」についての情報発信と、只見を愛する人材による地域づくりが提案された。このように地域ごとの多様な在り方は、身近なモデルとして波及効果が期待される。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。