研究課題/領域番号 |
18H01015
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
溝口 達也 鳥取大学, 地域学部, 教授 (70304194)
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研究分担者 |
熊倉 啓之 静岡大学, 教育学部, 教授 (00377706)
濱中 裕明 兵庫教育大学, 連合学校教育学研究科, 教授 (20294267)
宮川 健 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (30375456)
石井 英真 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (10452327)
阿部 好貴 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (40624630)
真野 祐輔 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10585433)
大滝 孝治 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (90750422)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 論証能力 / 文化論的・人間学的研究 / 中等教育 / 数学的証明 / 数学教育学 |
研究実績の概要 |
本年度(2019年度)は,昨年度招聘したDavid Reid博士(ブレーメン大学,ドイツ)との共同セミナーから示唆を得た「証明のフォーマット」を視点として,国内外の数学的証明の指導と学習についての調査・分析を行うことを主たる目的とした。本視点を中心に据えて,教授人間学理論(ATD)における教授学的転置論上の知識に対応するものとして「証明のフォーマット」を捉え,各institutionにおける様相とその転置について吟味・検討を行った。さらに,本研究プロジェクトのこれまでの成果としての「証明を捉える枠組み」を拡充するものとして,証明の指導と学習における歴史的,文化的な考察を可能とする理論枠組みともなったことは成果である。これらの成果は,2019年8月に開催された日本科学教育学会第43回年会において,プロジェクトの共同研究として発表できた。ここでは,研究分担者以外にも,研究協力者として国内外の複数名の協力を得た。 更に,本年度は,上記の活動に加え,「探究活動」と「論証」との連関,特にATDにおけるStudy and Research Path(SRP),及びその教師教育への利用であるSRP-for Teacher Educationにも視野を広げ,教師のpara-didactic活動に焦点を当てることで,教授実践を理論的に捉えるだけでなく,教師(in- and pre-service teachers)の実践の背後にある営みについても調査・分析を行った。「探究活動」と「論証」との連関については,今後も継続される研究テーマではあるが,成果の一端は,各種の国際会議において研究発表を行った。 また次年度(2020年度)招聘予定のBerta Barquero博士(バルセロナ大学,スペイン)との共同研究プロジェクトについても,研究打合せや各種の調整について,上記の研究活動と同時進行で展開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画に従って,予定した研究集会を開催し,研究成果を積み上げてきている。また,その成果を,国内外の学会で発表してきていることから,「おおむね順調に進展している」と判断される。 加えて,次年度(2020年度)に向けての計画・準備ともに順調に進展していることもあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度(2020年度)は,「探究活動」と「論証」との連関について検討する。一見すると相反すると諒解される傾向にある両者が,我が国と諸外国における探究 inquiryの概念規定の相違を吟味することを通じて,その整合性を探ることが可能である。本研究課題では,こうした可能性に向けての条件と制約の明確化(生態学的研究)を図る。 このために,国内外の各種学会・国際会議,とりわけThe 14th International Congress on Mathematical Education(ICME14, 於 上海)や,The 44th Conference of the International Group for the Psychology of Mathematics Education (PME44, Khon Kaen, Thailand)での研究発表はもとより,調整を進めてきたBerta Barquero博士(バルセロナ大学,スペイン)との国際研究集会についても実施の予定である。(ただし,2020年度初頭に発生したコロナ禍の影響により,実現についてはやや不透明なところがある。)
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