研究実績の概要 |
本研究課題が答えようとする学術的「問い」は,現代日本において学士課程カリキュラムの共通性はどの程度あるのか,である.この課題設定の独自性は,学士課程全体を視野に,専門分野を超えたカリキュラム分析を行う点にあり,また創造性は,分析手法の応用によって学士課程カリキュラムの歴史的,国際的な比較研究が可能となる点にある.分析の対象は,専門職養成を目的としない約2,500の学科である.対象学科について,必修の授業科目とその単位数を調査しデータセットを作る.その上で,共通性の指標として卒業要件単位数に占める必修の授業科目の単位数(必修単位率)と,複数学科で共通に見られる類型の授業科目の単位数(類型単位数)を算出する. 研究期間の1年目にあたる2018年度は,上記の必修単位率を算出する為,専門職養成を目的としない10系統2,443学科を対象にウェブ調査を行い,学位プログラム毎の履修要件に関するデータセットを作成した.必修単位率が算出できた学位プログラムは2019年3月時点で2,804であり,全体の必修単位率は平均で34.1%であった.もっとも必修単位率が高い分野系統は音楽系で平均50.1%,最も低い系統は社会系で23.3%であった.特に工学系,農学系の状況については,以下の通り研究発表を行った.Harada, Kentaro and Kushimoto, Takeshi(2019)Japanese Higher Education Curriculum for Engineering and Agriculture. Poster presentation at The 17th Annual Hawaii International Conference on Education, 1/6@Honolulu.
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