研究課題/領域番号 |
18H01028
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大森 不二雄 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (10363540)
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研究分担者 |
杉本 和弘 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (30397921)
鈴木 久男 北海道大学, 理学研究院, 教授 (20192619)
小池 武志 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (70396422)
斉藤 準 帯広畜産大学, 畜産学部, 講師 (90757668)
中村 教博 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (80302248)
石田 章純 東北大学, 理学研究科, 助教 (10633638)
松葉 龍一 熊本大学, 教授システム学研究センター, 准教授 (40336227)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 大学教育 / DBER / STEM / 人材開発 / 組織開発 |
研究実績の概要 |
STEM(科学・技術・工学・数学)分野における学問分野固有の専門性習得に向けた「分野別教育方法研究」(DBER: Discipline-Based Education Research)の発展に貢献するとともに、その実践的・実証的知見を普及するFDの実施によって組織的に授業を変革してきたサンフランシスコ州立大学教授キンバリー・タナー氏を招聘し、国際シンポジウム及びワークショップを計3日間(令和2年1月14・15日:東京、17日:仙台)開催した(計107名が参加)。 DBERに基づく組織的取組の推進事例として、STEM分野の授業改革で実績を挙げてきたブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)と、人文社会科学を含む全学的な教育改革に取り組んでいるコーネル大学(米国)を訪問調査した(令和2年2月)。また、DBERの草分けコロラド大学ボルダー校(米国)を訪問し、授業開発等の知見提供を受けるとともに、米国大学協会(AAC&U)主催のSTEM教育に関するカンファレンスに参加し、最新動向を調査した(令和元年11月)。 国立教育政策研究所「テスト問題バンク研究会」にて、“DBERに基づく授業変革の課題”との演題で、研究代表者が講演を行った(令和元年8月3日)。また、日本学術会議主催 学術フォーラム「いま問われる物理教育改革-より効果的な理工学教育をめざして」にて、“SEI (Science Education Initiative) 方式の事例紹介と日本への示唆”との演題で、研究代表者が講演を行った(令和元年9月27日)。 研究分担者らによる査読付論文「アメリカの物理教育と高大接続」が『物理教育』に採録された。 DBERの第一人者カール・ワイマン氏(スタンフォード大学教授。2001年ノーベル物理学賞受賞者。平成31年3月シンポジウム基調講演者として招聘済み)の著書の訳書出版のため、翻訳作業を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
米国・カナダ・英国のDBER研究者等との研究交流を進め、海外の実践的・実証的研究や先進的取組との連携を図るとともに、日本学術会議及び国立教育政策研究所等の国内研究者との協力関係を構築し、これらの連携協力を活かしながら、調査・分析及び一部の研究成果の公表を行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究交流を進めてきた米国・英国のDBER研究者等を通じた海外の実践的・実証的研究や先進的取組との連携、並びに、2019年度に構築した日本学術会議及び国立教育政策研究所等の国内研究者との協力関係を活かしながら、追加調査及び調査結果の分析・考察を行い、研究成果の取り纏めを行う。そして、新型コロナウイルス感染症の状況を見極め、可能であれば、成果発表のためのシンポジウムを開催する。 DBERは、各学問分野固有の専門性の習得に向けて知識理解と応用力習得を促す教育方法の研究であり、基本的には科学・技術領域(STEM: Science, Technology, Engineering and Mathematics)で普及してきているが、2019年度のコーネル大学訪問調査等を通じ人文社会科学分野への拡大の方向性も見えている。DBERに基づく授業変革の普及の鍵を握る人材・組織の要因を探究するため、高等教育研究者と各学問分野の教育方法研究者等の学際的研究として進める。 教授法の変革、全学・学部・学科など組織要因、専門家の育成・活用など人材要因について、これまでの成果の上に立って更に分析を進め、DBERによる教授法と人材・組織の一体的開発の要件を考察し、プロトタイプの開発・提案を目指す。
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