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2020 年度 実績報告書

パフォーマンス評価を用いた薬学教育の学修成果評価モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 18H01032
研究機関名城大学

研究代表者

大津 史子  名城大学, 薬学部, 教授 (90329772)

研究分担者 灘井 雅行  名城大学, 薬学部, 教授 (00295544)
永松 正  名城大学, 薬学部, 教授 (70103265)
長谷川 洋一  名城大学, 薬学部, 教授 (90535098)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードパフォーマンス評価 / 薬学教育 / 学修成果 / シミュレーション / ディプロマポリシー
研究実績の概要

薬学教育においては、卒業時の学修成果として、ディプロマポリシー(DP)と薬学教育モデルコアカリキュラムで求める10の資質・能力の修得が求められている。しかし、学生の示すパフォーマンスから、これらの資質・能力が修得できているかを直接的に評価する方法(直接評価法)は確立していない。そこで、本研究では、DPと10の資質で求める資質・能力を適切に評価するためにパフォーマンス課題を作成し、直接評価法を開発することを目的としている。
今年度は、6年制卒業時における理想的なパフォーマンスレベルの基準を設定するための検討を行った。具体的には、薬物療法における実践的なパフォーマンス能力を直接測定するためのパフォーマンス課題としてシミュレーションシステム(ePDE)を利用した課題を作成した。これを、学修成果のロールモデルとなる卒業生の協力を得て実施したところ、疾患に関わる頻度が高いほど薬物治療の実践能力が高い傾向が示唆された。すなわち、本パフォーマンス課題を利用することで、プロフェッショナルパフォーマンスの能力の程度を判断する社会的参照基準とすることが可能であることが示唆された。
一方、今年度はコロナ禍であり、前期は主にオンラインによる授業展開となった。特に、ベースパフォーマンスの評価対象としている「実習」及び、プロフェッショナルパフォーマンスの評価対象である「実務実習」の実施が大きく制限された。しかし、コロナ禍だからこそ、オンラインでの効果的なPBL教育を行う検討を行い、これまでの検討で構築してきたパフォーマンス課題を利用することで、PBL教育については、適正に評価できることもわかった。さらに、カリキュラムの改定された2015年度入学生に焦点を当てて、全てのパフォーマンス評価と他の指標との関連性の検討を行うことで、薬学教育の学修成果の効果的な可視化について体系的な検討を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画した通り、研究は概ね順調に進んでいる。コロナ禍の影響で実施できなかったプログラムもあり、若干の遅れがあったが、昨年度末に得た結果を解析することができたため、計画遂行への影響は最小限にとどめることができた。
具体的には、2015年度入学生に焦点を当て、昨年度開発した各種パフォーマンス課題の結果と様々な学習評価指標(GPA,科目成績,PROG テストなどの成績)との関連を確認して妥当性を検討した。さらに、パフォーマンス課題の結果の表示方法についても検討を行い、薬学教育の学修成果の効果的な可視化について検討を行ったが、6年間の学修成果とした場合、可視化する内容が多いため、その表現方法をどのようにするかという課題も見えてきた。来年度は、この点についても検討を行う。また、プロフェッショナルパフォーマンスを評価するための薬物療法判断の訓練シミュレーションプログラムePDE を利用したパフォーマンス課題についても、複数の課題開発を行った。さらに、この結果を理想的なパフォーマンスレベルの社会的参照基準に利用可能であることを示すことができたことは大きな成果である。また、コロナ禍であったことで、ePDEがオンラインでの学習における学修成果の測定にも問題無く利用可能で有ることもわかった。

今後の研究の推進方策

来年度の研究計画としては、これまでに検討してきたベースパフォーマンス、プロフェッショナルパフォーマンスのパフォーマンス課題の妥当性の検討結果を基に、修正及び見直しを行う。これを基に、蓄積された学修ルーブリックによる学修成果の自己評価及びその他の指標(GPA, 科目成績、修得度、ジャンル別代表科目の成績)及び、外部指標(PROG テスト,GPS-Academicなどの結果)との関連について、恒常的に確認することで、問題点の抽出、改善の内部質保証のサイクルを確立する。また、この一連の操作を、年度が進行しても恒常的に自動的に行う仕組みについても検討を行いたい。また、今年度、課題とした全体的な学修成果の可視化の方法についても、FD 委員会で定期的に検討し、PDCAを回しながら検討を促進し、薬学教育における教育の内部質保証システムとして構築する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] コロナ禍における遠隔授業環境の構築2021

    • 著者名/発表者名
      大津 史子、永松 正、長谷川 洋一、灘井 雅行
    • 雑誌名

      薬学教育

      巻: 5 ページ: n/a~

    • DOI

      10.24489/jjphe.2020-066

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] コロナ禍におけるPBL教育の工夫と学修成果2021

    • 著者名/発表者名
      大津史子、灘井雅行、長谷川洋一、永松正
    • 学会等名
      第27回大学教育研究フォーラム
  • [学会発表] 薬物療法の実践の学習成果を評価するための社会的参照基準の検討2020

    • 著者名/発表者名
      鈴木咲穂、酒井隆全、田辺公一、大津史子
    • 学会等名
      第5回日本薬学教育学会大会
  • [学会発表] 薬学実務実習の評価の課題と提言2020

    • 著者名/発表者名
      大津史子
    • 学会等名
      第5回日本薬学教育学会大会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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