研究課題/領域番号 |
18H01049
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
栗山 直子 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 助教 (90361782)
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研究分担者 |
森 秀樹 東京工業大学, 教育革新センター, 准教授 (30527776)
齊藤 貴浩 大阪大学, 経営企画オフィス, 教授 (50302972)
楠見 孝 京都大学, 教育学研究科, 教授 (70195444)
西原 明法 東京工業大学, 工学院, 特任教授 (90114884)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | プログラミング教育 / プログラミング的思考 / 情報教育 / 試行錯誤 / 問題解決 |
研究実績の概要 |
初年度は、(1)文献調査と小学校教諭へのインタビュー と(2)教授法の検討(3)実践とそれを通じた予備調査の3つを主に行った。 (1)文献調査と小学校教諭へのインタビュー :まず、先行研究及び、近年のプログラミング学習に関する実践事例等の文献調査や現場へのインタビュー調査を行った。プログラミング学習を通じて育成される思考力としては、試行錯誤しながら問題解決を行うこと、協働学習を行うなどの視点が挙げられた。栗山・齊藤・森・西原(2015,2016)などにおいて実施検討してきたプログラミング教育のカリキュラムや教授法などを、様々な観点から精査する。思考力の検討については、児童用の批判的思考尺度(楠見・村瀬・武田 2016)を用いて調査を行った。 (2)教授法の検討:プログラミング学習による思考力育成を基礎とする教授方法を開発する。学習を「プログラムが書ける」「プログラミングの体験をする」というレベルにとどめることのないよう、『課題解決型学習を通じてプロ グラミング的思考を身につけられるような教授方法の在り方』という視点で内容に関する検討を行い、グループで試行錯誤しながら行うプログラミングの授業について開発を進めた。 (3)実践とそれを通じた予備調査 東京都区立小学校2校10クラスの出前授業、東京都区立小学校1校で2クラスのプログラミング授業のサポートを通じて、協力いただける4年生以上児童に対してアンケート調査を行った。プログラミング学習には全体的に意欲的に取り組めていることや、思考力の伸びも見られたが、今回の調査では児童の自己評価にとどまったため今後、客観指標を取り入れる検討を行いたいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度は、文献調査とインタビュー調査の予定であったが、区立小学校3校計12クラスのプログラミング授業実践を行うことができたので、翌年度以降に予定していた予備調査ができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年は「発達段階やクラスの状況を考慮したプログラミング学習・教授法」のための検証を行う。 プログラミング学習を通じて育成される思考力の検討を行う。栗山・齊藤・森・西原(2015,2016)などにおいて実施、検討してきたプログラミング教育のカリキュラムや教授法などを、様々な観点から精査する。思考力の検討については、文献調査で分類・精査された思考力に関連する尺度や、児童用の批判的思考尺度(楠見・村瀬・武田 2016 )、さらに昨年度の結果から望まれる児童の思考力など(予備的調査では「一つずつ試す」「試行錯誤する」等)を加味した初等教育における 総合的思考力の測定尺度を構成して用いる。加えて、思考力に影響を及ぼす可能性のある様々な属性(学年、性別、興味関心、学習の動機づけ 、学習スタイル等)の検討を行う。
プログラミング学習による思考力育成を基礎とする教授方法を開発する。学習を「プログラムが書ける」「プログラミングの体験をする」と いうレベルにとどめることのないよう、『課題解決型学習を通じてプログラミング的思考を身につけられるような教授方法の在り方』という視点で内容に関する検討を行う。思考力の発達という観点においてどの学年においてどのような内容を含むプログラミング学習が最適であるのかについて、プログラミング学習の授業実践を通じた検証を行う。
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