研究課題/領域番号 |
18H01057
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
永井 正洋 首都大学東京, 大学教育センター, 教授 (40387478)
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研究分担者 |
藤吉 正明 首都大学東京, 学術情報基盤センター, 准教授 (20336522)
畠山 久 首都大学東京, 学術情報基盤センター, 助教 (20725882)
室田 真男 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (30222342)
渡辺 雄貴 東京理科大学, 教育支援機構, 准教授 (50570090)
松波 紀幸 帝京大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70783512)
加藤 浩 放送大学, 教養学部, 教授 (80332146)
澄川 靖信 首都大学東京, 大学教育センター, 助教 (70756303)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 健康観察 / タブレット端末 / 生徒指導 / AI活用 / セルフチェック |
研究実績の概要 |
平成30年10月までに、先行研究の検討、e健康観察システムの開発を行い、平成31年3月までに、e健康観察の仮運用、研究成果とりまとめを行う予定であった。 実際には、平成30年10月、e健康観察システムの一部であるチャットボット利用の教育相談システムの開発に予定より時間がかかったため、研究計画に3ヶ月の遅延が生じた。したがって、結果表示システムの開発は来年度に行うことになった。 一方、平成30年度の主な研究成果としては、初期段階のe健康観察システム(結果表示システムを含まない)を使った実験の報告を7月に国際会議で行ったことがあげられる。具体的には、実験後のアンケート調査の結果から、高等学校の内気な学生に対しては、教育カウンセリングよりも、e健康観察の方が優れていると生徒が考えていることが明らかになった。 また、学校満足度が低い生徒については、システムへの回答行動がネガティブとなることが推察された。 また、同システムを用いた短期実践的運用を宮崎県内の小学校で行ったが、問題なく、かつ有効に完了することができた。そして、その成果を平成31年3月に国際会議で報告した。具体的には、実践の結果、システムは正常に動作し、実施日の生徒の心と体の状態に関する情報を十分に教師に提供することができた。学校の校長からは、その結果を教師が生活指導に役立てていたとの報告があった。更に、今回のデータからは、心の問題がないほど、計算テストの成績が高いことが分かった。なお、この知見の一般化には、より多くのe健康観察の実施が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年10月、e健康観察システムの一部であるチャットボット利用の教育相談システムのプロトタイプを構築した。当初の予測に反し、事前調査の結果から、精度の高いチャットボットを構築するためには、多人数で時間をかけ精査する中で得られる良質なコーパスが必須なことが分かった。このため、研究計画に3ヶ月の遅延が生じ、結果表示システムの開発を追加で実施する必要が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
教育相談チャットボットシステムの開発を急ぐとともに、e健康観察結果表示システムの開発について、宮崎県内小学校での実践を反映させ、教員対して分かりやすいインターフェイスとなるよう検討する。他方、個人情報の扱いが大変厳しくなっており、協力校の選定に関して困難となることが予想されるため、システム開発において高いセキュリティを担保するとともに、扱う情報について学校現場との連携を密に取り、信頼関係を築くようにする。
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