研究課題
社会性や対人関係の問題や多動・不注意などの発達障害的な認知・行動特性により社会生活上の困難さを持つ人々は一般母集団に広く分布している。発達障害児 者は、抑うつ・不安、不登校、自傷行為、非行、触法行為などの二次的な情緒・行動上の問題を高い頻度で経験することが知られている。しかし、これまでの研究では、1一般児に見られる発達障害特性の連続的な個人差が情緒・行動問題にどう影響するのか、2交絡要因による疑似相関を調整した上で、個々の特性が情緒・行動問題にどの程度の影響を示すのか、3発達障害特性がどのような心理社会的メカニズムを媒介して情緒・行動問題につながるのか、といった重要な問題が解決されていなかった。本研究では、乳幼児から中学生までの約1万名を対象とした5年間の大規模コホート(縦断)調査によって、個人-環境の動的な相互作用の 観点から、発達障害特性と二次的な情緒・行動問題の因果的連鎖の解明を目指した。今年度は当初の計画通りであったが、昨年度同様に新型コロナウイルス感染症拡大により、乳幼児健診、保育所・幼稚園においての部分的な調査の中止があったものの、小学校、中学校にて調査を実施した。乳幼児健診では、1歳半健診、3歳児健診において、それぞれ約800名が調査に参加した。保育所・幼稚園では、保 育士による評定と保護者による評定のいずれも約1200名のデータが得られた。小学校・中学校では、本人による評定、教師による評定、保護者による評定のいずれも約8千人の有効回答が得られた。全体では約1万人のデータを収集することができ、貴重な知見を加えることができた。成果について、学会誌等で報告することができた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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教育心理学研究
巻: 71 ページ: 62-73
10.5926/jjep.71.62
発達心理学研究
巻: 33 ページ: 40-50
10.11201/jjdp.33.40
巻: 33 ページ: 366-377