研究課題/領域番号 |
18H01096
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
藤里 紘子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・予防精神医学研究部, 流動研究員 (50610333)
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研究分担者 |
宇佐美 政英 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 児童精神科診療科長 (30392476)
八木 淳子 岩手医科大学, 医学部, 講師 (80636035)
堀越 勝 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, センター長 (60344850)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 認知行動療法 / 児童 / 青年 / 統一プロトコル / 不安症 / うつ病 / 強迫症 |
研究実績の概要 |
本研究は、感情障害の児童青年に幅広く適用可能な認知行動療法とされる統一プロトコル(Unified protocol: UP)について、①評価者盲検ランダム化比較試験による児童版統一プロトコル(UP-C)の有効性の検討、および②前後比較試験による青年版統一プロトコル(UP-A)の実施可能性および有効性の検討を行うことを目的としている。 2019年度は、UP-Cのランダム化比較試験を主に進めた。具体的には、原版の改訂に伴って修正を加えていた日本版UP-Cのセラピストガイドおよびワークブックを完成させ、これらのマニュアルを使って、各研究協力機関の治療者の育成を行った。並行して、独立評価者の育成を進めた。また、新たに1施設を研究協力機関として確保するとともに、さらに1施設から研究協力の打診をいただき、現実的な運用体制を構築するための打ち合わせを重ねた。加えて、日本には、子どもの感情障害の症状による親の巻き込まれの程度を測定する尺度が存在しなかったため、原著者の許可を得て、海外で使用されている尺度(Family Accommodation Scale-Anxiety: FASA)の日本語版を開発した。 9月より、1施設でリクルートを開始し、9例を登録した。また、介入群に対してUP-Cを実施するとともに、全症例に対して介入前、介入中、介入後の評価を行い、データを収集した。 一方、UP-Aの前後比較試験については、運用体制の整備を進めるとともに、日本版UP-Aのセラピストガイドおよびワークブックの下訳を完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
運用体制の整備が遅れたこと、および治療者育成後に退職等により新たな治療者育成の必要が生じたことなどから、当初予定よりもやや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
UP-Cのランダム化比較試験については、上記の通り、新たな治療者育成の必要が生じたことから、2020年度中に運用体制を再整備し、複数の施設でリクルートを開始することを目指す。また、新たな研究協力機関との打ち合わせを重ね、現実的な運用体制を構築する。 UP-Aの前後比較試験については、2020年度中に運用体制を構築するとともに、プロトコルを作成し、倫理申請を終える。また、日本版UP-Aのセラピストガイドおよびワークブックを完成させ、2021年度以降、試験を開始することを目指す。
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