研究実績の概要 |
今年度も、中村勇哉氏との共同研究で極小食い違い係数の研究を行った。極小食い違い係数の逆同伴および下半連続性について研究を行ったが、まだ解決にはいたらなかった。しかし、ある場合に現在知られているジェットスキームの理論を用いた結果をジェットスキームを使わずして特異点解消の応用でのみ示すことができたことが進歩であったといえる。 つぎにBirkar氏のBorisov--Alxeev--Borisov予想の証明を再検証し, 対数的標準閾値のACC(これはHacon--Mckernan--Xuによりすでに知られていた)定理と同時に数学的帰納法を組むことで, より数学的帰納法がシンプルに回ることを確認した. またSung Rak Choi氏とBatyrevの動的錐に対する錐定理を一般の高余次元を動く曲線に対するものに拡張を試みた. 現在preprintを準備中である. この研究には先のBorisov--Alxeev--Borisov予想と関連している. 実際我々が考えている錐定理を完全な形で証明するためには, ある種の相対化されたBorisov--Alxeev--Borisov予想が必要であると思われるがそれが何なのかまだ解明できていない。それが今後の課題であり、これは極小食い違い係数の有界性に関するものと関連していると思っている。
今年度、本研究課題に関連して以下の研究集会で講演をおこなった: Higher Dimensional Arithmetic Geometry, 熊本大学. Mini Workshop at Saitama University. the Xiamen workshop Algebraic Surfaces and Related Topics, Xiamen, China.
|