研究実績の概要 |
パリ大学の Iraria Mondello との特異空間上の特異山辺計量の存在・非存在・特徴付けの研究を前年度に続いて行い,Edge-cone 特異計量を持つ特異球面上で,cone angle が4π以上場合,特異山辺計量の非存在に関する結果を得た.また cone angle が2πより小さい場合,特異山辺計量全体は標準的特異球面の(特異集合を保つ)共形変換による引き戻しによるもの全体と一致するという,小畠型の定理も得た.以上は英語論文にまとめ投稿中である. 境界を持つコンパクトな Einstein 多様体 (M, g) 上で,定スカラー曲率計量(csc-計量)の一意性に関する小畠型定理に関する結果を研究した.境界を持つ場合は,計量 g には M の境界上でその平均曲率がゼロという minimal boundary condition (MBC) を課すのが自然であることが分かっている.その様な仮定をしても,(M, g) 上の共計類 [g] 内におけるMBC を持つ csc-計量の一意性定理(i.e., 小畠型定理)は成立しないことが Escobar によって知られていた.そこで小畠型定理を [g] 内の MBC を持つ csc-計量達に対してではなく,MBC を持つ Einstein 計量達に対するものと解釈し,一意性定理を得た.以上も英語論文にまとめ投稿中である. その他,5次元 Heisenberg 群の slab 領域内の minimal Legendre 曲面の面積に関する特徴付けの結果を得た.特にこの研究で得られた,Flux に関する等周型不等式は興味深い.この結果は現在,英語論文作成中である.
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