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2020 年度 実績報告書

低次元トポロジーにおける代数的・圏論的構造

研究課題

研究課題/領域番号 18H01119
研究機関京都大学

研究代表者

葉廣 和夫  京都大学, 理学研究科, 教授 (80346064)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード群 / 写像類群 / Johnsonフィルトレーション / Johnson準同型
研究実績の概要

今年度は,日本学術振興会外国人特別研究員のAnderson Arley Vera Arboleda氏との共同研究の成果を,プレプリント“Double Johnson filtrations for mapping class groups”(arXiv:2009.07484) としてまとめた(雑誌投稿中).以下ではこの論文の成果について述べる.
この論文ではまず,群の拡張N列の概念を大幅に一般化して,「良い」順序可換モノイドΛで添え字づけられたフィルトレーションに拡張し,Johnson準同型の理論を一般化した.次に,特にΛが2個の自然数の組の全体N^2の場合を考察した.N^2で添え字づけられた群のフィルトレーションは2重フィルトレーションと呼ぶことができる.
この2重フィルトレーションの一般論を曲面の写像類群に適用した.まず,Kが種数gの境界付き曲面Σの基本群であり,この曲面の写像類群Mを考える.3次元球面の種数gの標準的なHeegaard分解に付随して,基本群Kの2つの正規部分群X,Yを取ることができる.Kには,これらの正規部分群をそれぞれ(1,0),(0,1)の位置に持つような自然な2重フィルトレーションK_**が入る.写像類群Mの元は2重フィルトレーションK_**を保つとは限らないが,いわゆるGoeritz部分群(ハンドル分解の写像類群)GがK_**を保つ部分となる.2重フィルトレーションの一般論より,Goeritz群Gに2重フィルトレーションG_**が誘導されて,Johnson 準同型も定義される.Goeritz群の2重フィルトレーションは,写像類群Mの2重フィルトレーションM_**に拡張することができるが,この場合の添え字は-1以上の整数の組(i,j)によるものである.これを写像類群Mの2重Johnsonフィルトレーションと呼ぶ.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は、写像類群の2重フィルトレーションに関する研究成果をまとめて1つのプレプリントとして発表することができたが、他の計画に関する論文は完成できていない。

今後の研究の推進方策

stratified(線形)圏についての論文を早急に完成させたい。また、計画している他の研究についても進めていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] The Kontsevich integral for bottom tangles in handlebodies2021

    • 著者名/発表者名
      Kazuo Habiro and Gwenael Massuyeau
    • 雑誌名

      Quantum Topology

      巻: - ページ: -

    • 査読あり / 国際共著

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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