研究実績の概要 |
一般化されたケーラー幾何学において, 一般化された接続 D は 通常の接続と End (E) 値 TM のセクション V に分解される. このような微分作用素 にたいしては共変微分の合成 DDとして曲率を構成しようとすると, 微分作用素となり, テンソルに ならない.しかし, 多様体上に d-closedな非退化スピノル ψ がある場合は, この非退化スピノルを使い, 一般化された接続に関して モーメント写像の観点から新たに”曲率” に相当する概念を導入することができる. すると, モーメント写像の枠組みが自然に適用され, 一般化された接続に対してアインシュタイン・エルミート条件が得られ, そのモジュライ空間はモーメント写像による有限次元のケーラー商として得られる. さて, 通常のケーラー幾何学において, 多重安定なベクトル束とアインシュタイン・エルミート計量の存在との同値性 (Kobayashi-Hitcihn 対応) は良く知られている. この小林・ヒッチン対応を一般化されたケーラー多様体上のベクトル束の場合に拡張することは自然な問題である. 本年度は一般化されたケーラー多様体上の一般化された正則ベクトル束にたいしてKobayashi-Hitchin 対応を示すことに成功した. この結果は論文にまとめてArziv 上に投稿した.arXiv:1903.07425, Kobayashi-Hitchin correspondence of generalized holomorphic vector bundles over generalized Kahler manifolds of symplectic type
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