ハミルトニアンに対応したエネルギー保存空間は,ハミルトニアンが意味をもつ空間として意味があり,その関数空間における解の大域存在,大域挙動に関する研究は多い.また,弱解の一意存在性や正則性に関する解析では,方程式に対してスケール不変である関数空間が重要な役割を果たし,そのような関数空間はエネルギー保存量が有限とは限らない場合が多い.本研究の一つ目の問いは,初期値問題の適切性・非適切性を切り分ける臨界空間はどうかということである.二つ目の問いは,解の大域的な振る舞いをフーリエ空間における波動のエネルギー密度の転換過程で解析できないかということであった.本研究で得られた成果の価値は高いと言える.
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